五択の戦争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 04:47 UTC 版)
ウェブブラウザの市場シェアをほぼ独占するに至ったMicrosoftによるInternet Explorer 6.0は、その後に開発が停滞し、新しさに欠ける状況が長く続く事になった。また、圧倒的なシェアを占めたことで、同ブラウザが採用する技術であるActiveXを悪用するキーロガーやバックドアを始め、同ブラウザのセキュリティホールを狙ったコンピュータウイルスやスパイウェアなどが多数登場するようになり、コンピューターセキュリティ問題がクローズアップされるようになった。だが、先述のシェア独占後の開発の停滞のために、IEのセキュリティ問題のいくつかが、遅々として解消されない状況が続いた。 そのような状況下で、タブブラウジング機能やフィードリーダー機能など、多様な新機能を搭載する次世代ブラウザとして、Mozilla FoundationによるMozilla Firefox、Opera SoftwareによるOpera、AppleによるSafari、GoogleによるGoogle Chromeが登場した。これらのブラウザは新機能を搭載しているだけでなく、自前のレンダリングエンジンを持っており、IEのセキュリティホールとして問題になったActiveXを採用していないため、ActiveXに起因するセキュリティ問題は発生しない(各々のウェブブラウザ固有のセキュリティホールは存在する)。 新興ブラウザ、特にMozilla Firefoxの人気があがり、2005年から2006年にかけてブラウザシェアが従来に比べて大きく変動した。2006年12月の時点で、世界的市場で見たIEのシェアは8割強、Mozilla Firefoxのシェアは1割強であった。市場シェアが減少したとはいえ、依然としてIEが圧倒的優位な状況であることに変わりはなかった。また、日本や米国ではIEが特に独占的なシェアを持っており、ヨーロッパやオーストラリアなどと比べると他社製ブラウザのシェアはまだあまり伸びていなかった(日本などの場合Microsoft製品に依存する傾向が強いため、ブラウザ以外でもMicrosoft製品を重視する傾向が見られた)。 これに対し、ヨーロッパではIEのシェアが多数派ではあるが確実な減少傾向にあり、Mozilla Firefoxが市場シェアの20%を突破するなど(一部国では40%を突破)、IE以外のブラウザがシェアを伸ばしていた。
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