乗合バスとの競合防止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 10:11 UTC 版)
特定バスの運行に際しては、許可の申請にあたり「公衆の利便が著しく阻害されることとなるおそれ」のある経路設定を行わないこととされており、その判断は管轄の運輸局または運輸支局等が下すこととなる。具体的には、特定バスが既存の乗合バス(一般路線バス)とほぼ同経路を運行し、乗合バス事業者の経営に影響を及ぼすことで、地域のバス利用者の利便性が低下するといったケースがこれにあたると想定されるため、事前に当該部署へ相談することが望ましいと国土交通省では回答している。 これは「クリーム・スキミング」と呼ばれるもので、ユニバーサルサービスの対義語にあたる。公共交通機関や都市インフラ等の公共性の高い分野において、事業者が収益性の高い特定の地域や顧客のみにサービスを提供し、収益性の低い分野を切り捨てる「いいとこ取り」の行為をこのように呼ぶ。乗合バス事業者同士においても、都市中心部等の収益性の高い路線のみを運行して赤字路線を切り捨てたり、新規事業者が収益性の高い路線のみに低運賃で参入するなどといったケースがこのように呼ばれる。 同様に特定バスにおいても、例えば既存の一般路線バスが通勤・通学の足として機能しているところに、企業や学校といった安定した乗客が見込まれる区間で特定バスを運行することで、地域の乗合バス事業者に経営的打撃を与える事態を防ぐためこのような規定が設けられており、特定バスの許可申請に条件を付して事前に調整を行うこととされている。 「ダブルトラック (交通)」も参照
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