中枢性非麻薬性鎮咳薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/11 08:06 UTC 版)
デキストロメトルファン メジコンが代表的な薬物である。デキストロメトルファンはオピオイドに類似する構造があるが麻薬としての鎮静・鎮痛作用を持たないことから麻薬に指定されていない。デキストロメトルファンはNMDA受容体拮抗薬である。孤束核の求心性興奮シナプスにおいてNMDA受容体を阻害することが強い鎮咳作用を示すと考えられている。デキストロメトルファンを1日45mg投与されることが多いが90mg投与でより強い鎮咳効果が期待できるという意見もある。一方、NMDA受容体への拮抗作用のため過量投与により解離症状を来たすことから、幻覚剤として乱用されることが問題となっている。 ジメモルファン アストミンが代表的な薬物である。効果はデキストロメトルファンと同等と考えられている。デキストロメトルファンとは異なり、NMDA受容体への拮抗作用がほとんどなく解離症状を示さないので乱用の恐れが少なくなっている。 チペピジンヒベンズ酸塩 アスベリンが代表的な薬物である。他の中枢性非麻薬性鎮咳薬と同様に延髄の咳中枢を抑制する以外に気管支腺の分泌を亢進し、気道粘膜線毛上皮運動を亢進することで去痰作用をもたらす。 エプラジノン 販売名はレスプレンである。他の中枢性非麻薬性鎮咳薬と同様に延髄の咳中枢を抑制する以外に去痰作用もある。 ペントキシベリン トクレスが代表的な薬物である。他の中枢性非麻薬性鎮咳薬と同様に延髄の咳中枢を抑制する以外に抗コリン作用や局所麻酔作用なども持ち合わせている。緑内障で禁忌であるが咳嗽反射抑制作用は強い。 クロペラスチン 販売名はフスタゾールである。東京大学の高木らが抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン(レスタミン)に強い鎮咳作用があることを見出し、その同族化合物からクロペラスチンを見出した。 ベンプロペリン フラベリックとして上市されている。 クロフェダノール コルドリンとして上市されている。 エフェドリン エフェドリン、メチルエフェドリン、メトキシフェナミンが鎮咳薬として知られている。エフェドリンは麻黄の主成分として1885年に長井長義によって発見された。アドレナリン作動性の気管支拡張作用と中枢性鎮咳作用を示す。メチルエフェドリンは市販の風邪薬にしばしば含まれている。 ノスカピン アヘンアルカロイドでコデインと同様の鎮咳作用があるといわれている。
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