中心の「エンジン」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 15:05 UTC 版)
「AT2018cow」の記事における「中心の「エンジン」」の解説
SMAによるミリ波・サブミリ波での集中的な追観測を行っていた、カリフォルニア工科大学を中心としたグループは、ミリ波とX線が、可視光などとは違って長期間一定に近い強度を保っていたことを明らかにし、爆発現象そのものとは別に、中心にそれらの放射を支える機関、つまりエンジンのようなものが必要になる、とした。TDEでは元々中心にブラックホールが存在するが、超新星であれば、爆発後に形成されるブラックホール又は中性子星がエンジンで、そのようなコンパクト天体が誕生した瞬間を史上初めてとらえた観測である可能性がある。 また、ノースウェスタン大学のラファエラ・マルグッティ(Raffaella Margutti)らのグループも、独立に中心のエンジンの必要性を発見。更に、これを踏まえてあらゆる波長域の電磁波での観測結果を分析した結果、AT2018cowの正体について、二つの仮説が最も蓋然性が高いと提唱した。一つは、超新星の前駆天体としては低質量の恒星が、電子捕獲型超新星となってマグネターを形成した、とする説。もう一つは、青色超巨星が最期を迎えたが、降着が強すぎて衝撃波が抑え込まれ、大爆発を起こさずにブラックホールを形成する"Failed Supernova"と呼ばれる超新星になった、とする説である。
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