中世・封建時代
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中世都市は独自の法=市法と独立した裁判権をもち、固有の行政機関を備えていた(兼岩正夫 『封建制社会 新書西洋史3』 講談社現代新書 1973年 p.93.裁判管轄も参照)。農奴であっても荘園を脱して都市城壁内に1年以上滞在すれば、自由の身となれたため、「都市の空気は自由にする」ということわざも生まれた(兼岩正夫 『封建制社会』 p.93)。 キリスト教会はそれ自らの裁判所を持ち、僧侶だけでなく、修道者・学生・十字軍士・寡婦・孤児・身寄りのないものなどを含む事件は僧侶裁判にかけられ(H.Gウェルズ 『世界史概観 上』 p.222.教会法も参照)、また遺言や結婚や誓約に関する全ての事件、および妖術や異教や涜神罪に関する事件も扱った(H.Gウェルズ 『世界史概観 上』 p.222)。俗人が僧侶と争いを起こした場合は必ず僧侶裁判を受けねばならなかった(H.Gウェルズ 『世界史概観 上』 p.222)。聖ドミニコによって創設されたドミニコ教団がインノケンティウス3世によって支持された結果、異端追及と新思想迫害のための組織・異端審問所(インキジション)が作られた(H.Gウェルズ 訳・長谷部文雄 阿部知二 『世界史概観 上』 岩波新書 第14刷1975年 p.223)。教会の不当な特権により、また不条理な異端迫害によって、庶民の自由な信仰は破壊されることになる(前同 p.223)。 キリスト教文化の「罪を犯したものは裁く」という考えの下、人間以外の動物においても裁判が下された(動物裁判)。
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