両A面シングル・両B面シングル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 07:04 UTC 版)
「A面/B面」の記事における「両A面シングル・両B面シングル」の解説
両A面シングル(りょうエーめんシングル、double A-side single)は、2曲収録のシングル盤の両方の曲をA面曲と称するものである。この場合は2曲目はカップリング曲とは呼ばない(ただし、収録曲が3曲以上ある場合、3曲目以降をB面もしくはカップリング曲と呼ぶことがある)。 シングルレコードでは、通常両面に1曲ずつが収録され、両A面でない通常のシングルではそれぞれA面・B面と呼ばれる。A面曲の曲名は盤名となり、プロモーションにおいても優先される。両A面とすることでその区別がなくされ、盤名も2つの曲名の連名表記となることが多い。 両A面シングル方式を最初に導入した作品は、1965年にリリースされたザ・ビートルズの「デイ・トリッパー/恋を抱きしめよう」である。それを追いかけるようにザ・ローリング・ストーンズが1967年に「夜をぶっとばせ/ルビー・チューズデイ」を両A面でリリースした。 通例は両A面(もしくはダブルAサイド、ダブルA面)シングルと呼ばれる。近年では、収録曲3曲をA面とした「トリプルA面シングル」や、さらには収録曲4曲全てをA面とした「クアトロA面シングル」、「マルチA面シングル」で発表されるケースも見られる。まれに両方の曲をB面曲とした両B面シングルとして売り出す場合もある。 両A面シングルは、アーティスト側およびレーベルやメーカーが2曲両方ともプロモーションしたい場合に使われることが多く、両方の曲あるいは2曲目のみにタイアップがついていて、制作上の意向によってはプロモーションビデオが制作されることもある。しかし、2曲目を両A面曲としながらもプロモーションが行われない、名目上だけの両A面シングルも多く存在する。逆に両A面の2曲目やトリプルA面、およびクアトロA面の2曲目以降の曲が1曲目に比べて極端に有名になったものもある。製作者の手を完全に離れる作品が生まれることも稀にある。アニメソングでは1曲目をオープニング曲、2曲目をエンディング曲とした両A面シングルも数多く存在する。また、両A面曲の曲順を入れ替えたものや、本来B面(カップリング)曲だった曲がA面曲に昇格(変更)したものが発売されたこともある。 2010年代に入ると「配信限定シングル」と称して発表された楽曲が直後のシングルの両A面の2曲目として収録されたり、カップリングとして収録されることが増えている。 日本のオリコンチャートでは、シングル曲は原則としてA面のみタイトルが載るが、「両A面」ではすべての収録曲のタイトルが「○○/○○」といった具合に載る。2曲目以降の曲はB面(カップリング)扱いされることも少なくなく、更に音楽番組で1曲目以外が披露されないことも少なくない。
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