三色紙の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/10 08:46 UTC 版)
和歌1首が1枚の紙面に数行で書かれているが、各行の行頭の位置が違い、行末の位置も一定しない。個々の行もまっすぐには書かれておらず、行頭から行末にかけて右下方向へ傾いている例が多い。行間幅も不定で、比較的行間隔を揃えて書かれた『寸松庵色紙』でも、最終行が前の行に寄り添うように接近する例がある。さらに改行にも法則性が見い出せず、下部にまだ十分なスペースが残っているのに改行する例、歌の意味の流れや語彙のまとまりに背いて改行される例などがある。『升色紙』においては、右から左へ行が進行した後、最後の行が書き始めの行より右に戻って書かれている。また、同じく『升色紙』において、一度書いた行の上に、次の行を重ねて書いている例もある。 中国唐代を代表する『九成宮醴泉銘』・『孔子廟堂碑』・『雁塔聖教序』などの作品は、行頭・行末を揃え、左右の文字の位置を揃え、行をまっすぐに書いており、上述の散らし書きといかに対照的な書字法であるかが分かる。
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