一方的な市場拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 08:25 UTC 版)
1907年恐慌以来、アメリカ合衆国の投資信託は国際金融市場の重要なプレイヤーである。アレゲーニー・スキャンダルやセントラル投信ピラミッドが世界恐慌で白日に晒されたとき、そしてバーナード・コーンフェルド(Bernard Cornfeld)が最初につくったファンド・オブ・ファンズ(FOF)の破綻したとき、投資信託は厳しく批判された。しかし投資顧問業の隆盛をともない、投資信託は生命保険と入れ替わりで機関投資家の代表格となった。FOFが増えてゆくなか、日本では投資信託が証券不況の原因となった。 連邦準備制度がインフレーション政策を採った1970年代を除いて、2014年現在まで世界の投信残高は単調増加傾向にある。プラザ合意が成立してから、日本の投信残高も国民総生産の10%前後にまで増加した。1990年代からボストン発のミューチュアル・ファンドが一般投資家の膨大な資金を吸い上げ、多国籍企業などへ投じている。 手堅いとされてきた公社債投資信託は、2000年前後のエンロン破綻事件により元本割れした。フランスの投信市場も注目される。2007年現在でクレディ・アグリコルが運用資産残高の首位を維持し、国内では主にFOFとマネー・マーケット・ファンドが取引され、個人は相続税などが優遇されている保険を通して保有することが多い。 もっとも、個人金融資産に占める投信の割合は、スウェーデンの方が高い(26.1%)。世界金融危機では、資産構成にサブプライムローンの劣位証券を組み込んでいた年金基金・保険会社・投信会社が損害を加入者と顧客へ転嫁した。事件の進行中も、世界の投資信託残高は単調増加を続けた。2013年から日本では信金中央金庫が唐突に投信保有残高を増やしてきている。 2017年7月以降、ゆうちょ銀行が投資信託を取り扱う拠点を急ピッチで増設している。ところでアベノミクスはビットコインに対し寛容である。しかしビットコインから上場投資信託の認可を申請された証券取引委員会は、2017年3月にそれを拒否した。
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