ワシントン軍縮条約と1920年代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 01:54 UTC 版)
「条約型戦艦」の記事における「ワシントン軍縮条約と1920年代」の解説
ワシントン海軍軍縮条約は、1922年、いずれも最新の弩級(超弩級)戦艦・巡洋戦艦を保有する5大列強、イギリス、フランス、アメリカ、日本およびイタリアによって調印された。主たる目的は、特にイギリス、アメリカと日本の間で行われていた、莫大な費用のかかる建艦競争を抑制することだった。まず主力艦の定義を、航空母艦以外で排水量10,000トン以上35,000トン以下、または口径8インチ以上16インチ以下を装備した船と定めた。航空母艦については、その艦種の名目で主力艦を建造することを防止するために、8インチを超える砲を装備することを禁じられた。各加盟国は、主力艦の数と合計排水量を制限することに同意した。その際、計画中あるいは建造中の戦艦・巡洋戦艦は直ちにキャンセルあるいは廃棄することとした。 条約によると、新造艦は原則として条約締結後10年間は凍結することとされ、これは、調印した列強の大部分にとって、1930年代になるまで新造ができないということを意味した。唯一イギリスのみが新造を認められている。これは、アメリカと日本が16インチ主砲搭載戦艦(アメリカはコロラド級、日本は長門型)を保有しているのに対し英国にはなく、相応の戦艦を保有するためのものである。 かくしてイギリスの最初の条約型戦艦であるネルソン級が誕生した。ネルソン級は1922年に起工され、1925年に進水した。同級は条約による排水量制限をクリアするため、3連装砲塔3基をすべて上部構造物の前方に置き、それらの周囲の装甲の重量を節約した。しかし、条約の遵守に拘った結果として様々な欠陥を露呈してしまい、制限されたクラスで主力艦を建造することの難しさを示した。
※この「ワシントン軍縮条約と1920年代」の解説は、「条約型戦艦」の解説の一部です。
「ワシントン軍縮条約と1920年代」を含む「条約型戦艦」の記事については、「条約型戦艦」の概要を参照ください。
- ワシントン軍縮条約と1920年代のページへのリンク