ロマンX
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 17:39 UTC 版)
ロマンポルノ後半期の1980年代において、最大のライバルとなったのは、ポルノ映画のような前貼りをしての疑似セックスではなく、実際の性行為(本番行為)を行うアダルトビデオであった[要出典]。一般家庭にもVHSビデオデッキが普及し、巷にレンタルビデオ店が大量に出現し、低料金でレンタルできるようになった1980年代後半には、ポルノ映画の劇場に足を運ぶ人は減る一方であった。一方、アダルトビデオ業界は1985-1988年頃に大きく売り上げを伸ばしていた。 1985年から1988年までの3年間、日活はビデオカメラで撮影し、銀塩フィルムに転写したキネコ作品を、「ロマンX」と銘打って公開した。第1作は木築沙絵子主演『箱の中の女』だった。他にも麻生かおりらが「ロマンX」に出演した。「ロマンX」は本番行為を行うアダルトビデオに対抗する目的で作られたもので、日活の女優たちも、AV女優に対抗して本番行為を行った。「本番女優」は映画の中で一般女優と同様に演技をするが、セックスをするという点ではAV女優と同じであった。この路線が日活ロマンポルノから「ロマン」を奪い、結果としてロマンポルノの終焉を早めたと言える。 日活「ロマンX」ではヤラセはなく、女優たちが実際にセックスを行った。日活の女優がAVへ流れたり、AV女優が日活映画へ出たがる傾向も見られた。その一方、1980年代前半から、元アイドルやベテラン女優などを起用するソフト路線もあらわれ(これらの多くは2本立て興行となり“エロス大作”と呼ばれた)、こちらは「ロマンX」とは対照的に、性描写は極めて薄くなっていった。1980年代後半は、こうした二極路線で何とか持ち直すも、映画倫理委員会が「ロマンX」のハード路線に難色を示し、路線変更を余儀なくされた事から、次第に行き詰まっていく。新ブランドとして打ち出された「ロマンXX(ダブルエックス)」も、1番組で終わってしまった。
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