レトロエンタープライズとは? わかりやすく解説

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レトロエンタープライズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/19 14:36 UTC 版)

有限会社レトロエンタープライズ
Retro Enterprises Co., Ltd.
種類 有限会社
略称 レトロ通販
本社所在地 日本
130-0014
東京都墨田区亀沢4-16-7[1][2][3]
設立 1990年3月29日
業種 映像関連事業
法人番号 6010602027302
代表者 神山隆彦[2]
外部リンク www.retro8.com
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有限会社レトロエンタープライズは、8ミリフィルム16ミリフィルムなどの小型映画に特化したフィルムの製造・輸入販売・機材販売・現像作業やD1-VTRD2-VTRUNIHI(ユニハイ)、1インチVTRUマチック2インチVTRなど旧方式で再生が難しくなったビデオテープやフィルムのフォーマット変換・デジタルアーカイブ作業・ダビング作業等を行う日本の企業。また映画・テレビなどにおける海外との交渉(英語圏ドイツ語圏)を得意とし、国内外のテレビ局の取材に対して通訳やコーディネート業務を行う。他に昭和30年代のテレビをレストアした「レトロテレビ」の製作を行い一般への販売や映画のテレビの小道具として使用されている。最近では劇用車の分野にも進出し、撮影専用車両では珍しいトヨタ・ジャパンタクシーを中心に映画・テレビ・CM・雑誌の撮影で使用されている。 レトロ通販(レトロつうはん)は、店舗の屋号であり[4]、同社レトロ通販事業部の通称である[3]東京都公安委員会許可第307739702491号道具商[3]

略歴・概要

  • 1985年(昭和60年)09月、業務用ビデオ機材を雑誌「ビデオサロン」誌(玄光社)で通信販売する「特機通販」として開業。
  • 1988年(昭和63年)12月、パラマウント映画ブラック・レイン」にてリドリー・スコット監督付助手を担当。
  • 1989年(平成元年)02月、有限会社ホワイトバランスとして法人化。
  • 1996年(平成08年)05月、8mmフィルム用の中古機材を雑誌「ビデオサロン」誌(玄光社)で通信販売する「レトロ通販」として営業開始。
  • 1997年(平成09年)11月、墨田区亀沢4-12-9に実店舗を構える。
  • 2000年(平成12年)10月、有限会社レトロエンタープライズに改称。
  • 2005年(平成17年)、ドイツ GK-Filmとの提携によるフィルムの生産業務を開始、同年11月に現像業務を終了した育映社の機材と人材を引き継ぎ、8mmカラーリバーサルフィルムのためのE-6現像による現像業務を新たに開始する[2][5][6]
  • 2007年(平成19年)、映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の劇中において16ミリ映画を上映するシーンを担当。主人公が操作するエルモ社製「躍進号」映写機は同社が整備・提供した物である。なお実際の撮影では別の輝度の高い16ミリ映写機を用いて主人公の背後から映写した。
  • 2008年(平成20年)4月21日に発売された大人の科学製品版「8mm映写機」は、同社が、学習研究社(現在の学研ホールディングス、「大人の科学」部門は学研教育出版)と共同開発したものである[2][7]
  • 2011年、映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」の劇中にて使用するカラーテレビ全般を担当。山崎貴監督が指定した昭和38年松下電器製19型カラーテレビ「TK-36D型」の中古を高知県から探し出し、レストア作業を行い新品同様に仕上げ、劇中で主人公が新しく購入したカラーテレビとして使われた。同映画のエンドロールに同社の名前が表記されている。
  • 2021年、Netflix配信ドラマ「全裸監督」シーズン2の劇中にて使用する1980年代後期から1990年代初頭にかけての実際のビデオ撮影機材、編集機材の調達全般を担当。監督の希望で「装飾品」ではなく実際に動作することが条件とされ、劇中では実際にテープをかけて編集している。また編集担当の俳優たちへの演技指導も行い、同作品のエンドロールに同社の名前、担当した代表者名が表記されている。[8]
  • 2022年(令和4年)2月1日 旧社屋老朽化のため墨田区亀沢4-16-7に移転。

白黒リバーサルフィルムトライXについても2011年9月より白黒リバーサルフィルムの自社現像をはじめた。富士フイルムのシングル8用フィルムについては、2013年(平成25年)9月の富士フイルム純正現像業務の終了[9] 後、同社が世界で唯一のシングル8用フィルムの現像施設となっている[5]

同社では、8ミリ、16ミリ、9.5ミリのフィルムからのデジタルテレシネ業務を行なっているが映写画面を再撮影する、いわゆる簡易テレシネではなく、ソニーの高品位放送業務用テレシネ装置BM-2100 HD改造機、およびCanonEOS 5D mk2を用いる「フレームbyフレーム方式」でのフルハイビジョンキャプチャーを行なっている[10]

今までのデジタルアーカイブ作業

今までのコーディネート作品

自社製フィルム製品

同社は2016年末、通商産業省 中小企業庁「ものづくり・商業・サービス革新事業に係る助成金」の交付を受け35ミリ幅のフィルムから8ミリ用に裁断・穿孔する装置を新たに制作し[14]、富士フイルム等が生産する写真用の長尺35ミリフィルムから小型映画用のオリジナルフィルムを加工・制作・販売している。下記はその一覧である[15][16]。カセット内に収めるフィルムの長さは、材質の厚さや硬さの関係で純正の50フィートに対して約40フィートとなっている[15]

カラーリバーサルフィルム
  • RK100D - シングル8、スーパー8用(約40フィート)、ISO100 デイライトタイプ[15]
白黒リバーサルフィルム
  • レトロ-X - シングル8、スーパー8用(約40フィート)、ISO200 [15]

販売するフィルム

前節に挙げたオリジナル製品を含め、同社の映画用フィルム販売ラインナップは下記の通りである。[15][16]

販売するフィルム
16mm 9.5mm ダブル8 Dスーパー8 スーパー8 シングル8 ISO 原反 備考
カラー
リバーサル
RK100D カセット 100
エクタクローム100D  100ft巻 カセット 100 純正
白黒
リバーサル
レトロX カセット 200 ORWO UN54
トライX カセット 200/160 純正
カラーネガ プロ8/01ほか カセット 50ほか VISION2 50D
VISION3 50D カセット 50 純正
VISION3 200T カセット 200 純正
VISION3 500T カセット 500 純正

現像業務

以下が同社の行なう現像業務である[1][5]

現像業務 [1][5]
16mm スーパー16 ダブル8 Dスーパー8 スーパー8 シングル8 備考
カラー ネガ 対応 対応 対応 対応 対応 対応
プリント
リバーサル 対応 対応 対応 対応 対応 対応 E-6現像[5]
白黒 ネガ 対応 対応 対応 対応 対応 対応
プリント
リバーサル 対応 対応 対応 対応 対応 対応 白黒反転現像[5]

特殊現像

長期にわたって現像されずに放置された未現像フィルムやメーカーや一般ラボが現像を終了したフィルム(コダクローム等)に対して現像処理を行っている。映画用だけでなく一般のスチール写真用フィルム(フジカラーN100等)にも対応している。なお一部のカラーフィルムは現在入手不可能な薬液を必要とすることから白黒画像として処理される[1][5]

脚注

  1. ^ a b c d Laboratories Directory の検索結果 (英語), コダック、2010年12月19日閲覧。
  2. ^ a b c d 貴重な8ミリフィルムをゴミにしないために”. 東都よみうり新聞社 (2009年1月3日). 2016年3月23日閲覧。
  3. ^ a b c レトロ通販トップページ(#外部リンク)、レトロエンタープライズ、2010年12月19日閲覧。
  4. ^ 時代に大逆行!前代未聞の超アナログ専門店開店Yahoo!セカンドライフ、2010年12月19日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 自社現像 Archived 2011年9月27日, at the Wayback Machine.、レトロエンタープライズ、2010年12月19日閲覧。
  6. ^ Single-8” (ドイツ語). ヴィットナー・シネテック. 2010年12月16日閲覧。
  7. ^ 大人の科学製品版8mm映写機”. レトロエンタープライズ. 2010年12月19日閲覧。
  8. ^ 「全裸監督シーズン2」がNetflixにて公開中です。80年代のビデオ機材提供と演技指導を担当させていただきました”. facebook. 2021年7月15日閲覧。
  9. ^ シングル8用フィルム「FUJICHROME R25N」「FUJICHROME RT200N」販売および現像終了のご案内 Archived 2012年7月22日, at the Wayback Machine.、富士フイルム、2010年12月19日閲覧。
  10. ^ テレシネサービス”. レトロエンタープライズ. 2010年12月19日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j k 古いビデオ方式からのデジタル化・アーカイブ作業 今までの実績
  12. ^ 弊社協力8ミリ使用作品
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 外国関連全般テレビ取材コーディネーター
  14. ^ 補助金採択企業”. 2010年12月19日閲覧。
  15. ^ a b c d e シングル8フィルム”. レトロエンタープライズ. 2010年12月19日閲覧。
  16. ^ a b スーパー8フィルム Archived 2011年10月26日, at the Wayback Machine.、レトロエンタープライズ、2010年12月19日閲覧。

参考文献

  • THE SINGLE-8 PROFESSOR - Smallformat, 2005年1月、p. 53-55.

関連項目

外部リンク


レトロエンタープライズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 02:20 UTC 版)

白黒リバーサルフィルム」の記事における「レトロエンタープライズ」の解説

日本のレトロエンタープライズは、ドイツORWOブランド継承しているフィルモテックと提携し、「ORWO UN54」を原反に「レトロX」を製造販売している。 レトロX - シングル8

※この「レトロエンタープライズ」の解説は、「白黒リバーサルフィルム」の解説の一部です。
「レトロエンタープライズ」を含む「白黒リバーサルフィルム」の記事については、「白黒リバーサルフィルム」の概要を参照ください。

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