レイルリンクとは? わかりやすく解説

レイルリンク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/09 15:35 UTC 版)

レイルリンク
欧字表記 Rail Link
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2003年3月26日[1]
死没 2022年5月20日(19歳没)
Dansili
Docklands
母の父 Theatrical
生国 イギリス
生産者 Juddmonte Farms Ltd.
馬主 Khalid Abdulla
調教師 Andre Fabreフランス
競走成績
生涯成績 7戦5勝[1]
獲得賞金 1,558,700ユーロ[1]
勝ち鞍
G1 パリ大賞典 2006年
G1 凱旋門賞 2006年
G2 ニエル賞 2006年
G3 リス賞 2006年
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レイルリンク (Rail Link2003年3月26日 - 2022年5月20日) は、イギリスで生産、フランスで調教を受けたサラブレッド競走馬種牡馬2006年凱旋門賞パリ大賞典などに優勝した。

戦績

レイルリンクは生産者であるハーリド・ビン・アブドゥッラー所有のもと、フランスのアンドレ・ファーブル調教師に預けられて競走馬となったが、デビューは遅く、2歳のうちは未出走で過ごした[2]。3歳になり、2006年4月10日のサンクルー競馬場で行われたセントサイモン賞(未勝利戦・2100メートル)[3]で初戦を迎えた。この初戦では、道中でレイルリンクの前肢が先行する馬の後肢にぶつかり、その衝撃で内ラチにぶつかって騎手を落としてしまい、競走中止という結果に終わっている[2][3]

翌5月にシャンティイ競馬場での2戦目で2着[4]、3戦目となったグヴェルナン賞(サンクルー・未勝利戦)で、2着馬に2馬身差をつけての初勝利を飾った[5]。続いてロンシャン競馬場のリス賞(G3)では、持ったままの楽な走りながらも、2着に2馬身差をつけて初の重賞勝ちを飾る[6]

初のG1出走となった7月14日パリ大賞典では圧倒的1番人気に支持され[7]、2着馬レッドロックスに2馬身差をつけて優勝、話題の一頭となった[8][7]。このあと、約2ヶ月の間隔を空ける。

秋になると、まず凱旋門賞の前哨戦ニエル賞に出走し、2着のユームザインに半馬身差をつけて優勝、4連勝を記録した[9]。この時点でレイルリンクは凱旋門賞の有力候補であったが、同じ厩舎のハリケーンランシロッコ日本から参戦したディープインパクトの下馬評が高く、多くのブックメーカーはレイルリンクをこの3頭に次ぐ存在としており、ロンシャン競馬場内の単勝オッズも25倍で4番人気だった[要出典]。また、2戦目から騎乗していたクリストフ・スミヨンがシロッコに騎乗したため、ステファン・パスキエ騎乗で出走した。道中はディープインパクトをマークするように追走し、最後の直線では先に抜け出したディープインパクトを交わし、さらに最後方から追い込んできたプライドをクビ差で抑えて優勝、5連勝で凱旋門賞を制覇した[10][11]

この凱旋門賞を含む5連勝は高く評され、国際競馬統括機関連盟(IFHA)発表の「トップ50ワールドリーディングホース」においては127ポンドを与えられ、この時点ではバーナーディニなどと並んで世界最高位の競走成績と位置付けられた[12]。2017年年初に発表された2016年の最終的なランキングではインヴァソール(129ポンド)ら3頭に上位を譲るものの、ディープインパクトらと並んで世界4位タイと評価された[13]。また、レイルリンクの活躍により、父ダンシリは2006年のフランスリーディングサイアーの座を獲得している。

2007年春は 骨折のために休養した[要出典]。当初は9月16日フォワ賞で復帰予定であったが、7月の時点で腱に故障が見つかったため回避、当年は競走に使わないと発表された[14]。その後、7月末にこのまま引退すると発表[15]、2008年から種牡馬として供用されることになった。

競走成績

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬 出典
2006.04.10 サンクルー セントサイモン賞 芝2100m 中止 J.ヴィクトワール Sudan [3]
2006.05.10 シャンティ モンパニョット賞 芝2100m 2着 C.スミヨン 2馬身 Lauro [4]
2006.05.29 サンクルー グヴェルナン賞 芝2100m 1着 C.スミヨン 2馬身 (Spicy Wings) [5]
2006.06.20 ロンシャン リス賞 G3 芝2400m 1着 C.スミヨン 2 1/2馬身 (Sudan) [6]
2006.07.14 ロンシャン パリ大賞典 G1 芝2400m 1着 C.スミヨン 2馬身 (Red Rocks) [8]
2006.09.10 ロンシャン ニエル賞 G2 芝2400m 1着 C.スミヨン 1/2馬身 (Youmzain) [9]
2006.10.01 ロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m 1着 S.パスキエ クビ Pride [11]

種牡馬入り後

2008年よりバンステッドマナースタッドで種牡馬入りし、初年度の種付料は12500ポンドに設定された。しかし活躍馬は少なく、種付料は漸減、2013年・2014年時点での種付料は5000ポンドに設定されていた[16]。2015年からはフランスのナショナル・ド・セルシー・ラ・トゥール牧場に移動[2]。種付料は2800ユーロに下落した。2022年5月20日に心臓発作のため、死亡した。19歳没。

主な産駒

  • 2009年産
    • Last Train(ラストレイン)- バルブヴィユ賞(G3)
    • Sediciosa(セディシオサ)- ロワイヨーモン賞(仏G3)
  • 2010年産
  • 2012年産

血統表

レイルリンク血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ダンジグ系
[§ 2]

Dansili 1996
イギリス 鹿毛
父の父
*デインヒル
Danehil 1986
アメリカ 鹿毛
Danzig 1977 Northern Dancer
Pas de Nom
Razyana 1981 His Majesty
Spring Adieu
父の母
Hasili 1991
アイルランド 鹿毛
Kahyasi 1985 *イルドブルボン
Kadissya
Kerali 1984 High Line
Sookera

Docklands 1989
アメリカ 鹿毛
Theatrical 1982
アメリカ 鹿毛
Nureyev 1977 Northern Dancer
Special
*ツリーオブノレッジ
Tree of Knowledge 1977
Sassafras
Sensibility
母の母
Dockage 1984
カナダ 黒鹿毛
Riverman 1969 Never Bend
River Lady
Golden Alibi 1978 *エンペリー
Charming Alibi F-No.13-c
母系(F-No.) (FN:13-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 4×4=12.50%、Natalma 5×5×5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [17], [18], [19]
  2. ^ [18]
  3. ^ [17], [18]
  4. ^ [17], [18], [19]

血統背景

ダンシリ (Dansili) はデインヒルの直仔。現役時代に14戦5勝し、プール・デッセ・デ・プーラン2着などマイル路線で活躍した(詳細は同馬の項目参照)。母ドックランズ (Docklands) はシアトリカル産駒。半兄のチェルシーマナー (Chelsea Manor) はフランスのG3を勝っている。半姉のテキスタイルは、新冠町川上牧場繁殖牝馬として繋養されている。曾祖母のGolden Alibiは名牝ダリアの半妹にあたる。

脚注

  1. ^ a b c RAIL LINK GB”. France Galop. 2018年4月20日閲覧。
  2. ^ a b c 2006年凱旋門賞馬レイルリンク、セルシー牧場に売却”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2014年9月11日). 2018年4月21日閲覧。
  3. ^ a b c Full Result 1:20 Saint-Cloud (FR)”. Racing Post (2006年4月10日). 2018年4月21日閲覧。
  4. ^ a b Full Result 1:35 Chantilly (FR)”. Racing Post (2006年5月10日). 2018年4月21日閲覧。
  5. ^ a b Full Result 1:35 Saint-Cloud (FR)”. Racing Post (2006年5月29日). 2018年4月21日閲覧。
  6. ^ a b Full Result 2:50 Longchamp (FR)”. Racing Post (2006年6月20日). 2018年4月21日閲覧。
  7. ^ a b パリ大賞典、レイルリンクがG1初制覇”. netkeiba.com (2006年7月15日). 2018年4月21日閲覧。
  8. ^ a b Full Result 7:20 Longchamp (FR)”. Racing Post (2006年7月14日). 2018年4月21日閲覧。
  9. ^ a b Full Result 3:20 Longchamp (FR)”. Racing Post (2006年9月10日). 2018年4月21日閲覧。
  10. ^ 凱旋門賞、ディープインパクト敗れる”. netkeiba.com (2006年10月2日). 2018年4月21日閲覧。
  11. ^ a b Full Result 4:35 Longchamp (FR)”. Racing Post (2006年10月1日). 2018年4月21日閲覧。
  12. ^ トップ50ワールドリーディングホースの発表について”. 日本中央競馬会. 2018年4月20日閲覧。
  13. ^ ディープインパクト、世界最高の評価”. netkeiba.com (2007年1月17日). 2018年4月21日閲覧。
  14. ^ 凱旋門賞馬レイルリンクが故障”. netkeiba.com (2007年7月19日). 2018年4月21日閲覧。
  15. ^ 凱旋門賞馬レイルリンクが引退”. netkeiba.com (2007年7月31日). 2018年4月21日閲覧。
  16. ^ フランケルの種付料、2014年も変わらず”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2013年12月26日). 2018年4月21日閲覧。
  17. ^ a b c Rail Link(GB)”. JBISサーチ. 2018年4月21日閲覧。
  18. ^ a b c d Rail Link”. netkeiba.com. 2018年4月21日閲覧。
  19. ^ a b Rail Link (GB)”. equineline.com. 2018年4月21日閲覧。

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