レイヤ2転送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 15:05 UTC 版)
ユニキャストでは、特定のレイヤ2MACアドレスをEthernetパケットアドレスに設定すると、EthernetやIEEE 802.3サブネット上の特定の受信者にパケットを配送できる。ブロードキャストパケットを作成するためには、ブロードキャスト用のMACアドレス(FF:FF:FF:FF:FF:FF)を利用する。このときアドレスの中のブロードキャスト/マルチキャストビットがセットされる。IANAはOUIとしてMACアドレス01:00:5eを保有しているので、マルチキャストパケットはEthernet MACアドレスの01:00:5e:00:00:00 - 01:00:5e:7f:ff:ffの範囲(これは利用可能なアドレス空間のうち23ビット分である)を利用して配送される。第1オクテット(01)にブロードキャスト/マルチキャストビットが含まれている。28ビットのマルチキャストIPアドレスのうち下位の23ビットは、利用可能なEthernetアドレス空間のうちの23ビットにマップされる。これはパケットの配送に曖昧さがあるということである。例えば、同一サブネット上にある2台のホストが、それぞれ別のマルチキャストグループに所属しているとする。マルチキャストグループの最初の5ビットだけが異なるとしよう。この場合、それぞれのマルチキャストグループに宛てたEthernetパケットは両方のホストに配送されてしまう。このため、ホスト上のネットワークソフトウェアは不必要なパケットを判別して捨てる必要がある。 IPv6マルチキャストアドレスでは、Ethernet MACアドレスは下位の4オクテットとMACアドレス33:33:00:00:00:00の論理和で求められる。IPv6アドレスFF02:DEAD:BEEF::1:3はEthernet MACアドレス33:33:00:01:00:03にマップされる。 レイヤ2スイッチがマルチキャストアドレスを解決できない場合、スイッチはマルチキャストグループに送信されたデータをLAN上の全てのメンバーにブロードキャストする。この時、ネットワークカードやOSが、自分へのものでないパケットをフィルタリングしなければならない。 IGMPトラフィックをlistenして、どのネットワークシステムがどのマルチキャストグループに所属するかを示す状態テーブル(state table)を維持するスイッチもある。このようなスイッチは、状態テーブルを利用してあるグループに宛てたトラフィックだけを転送できるので、受信するホスト(ポート)を限定できる。状態テーブルを作成するためIGMPスヌーピングが利用される。 レイヤ3機能を有するスイッチ(レイヤ3スイッチ)には、IGMPクエリーを送出するルータ(IGMPクエリア(querier))として動作できるものもある。ネットワーク上にマルチキャストルータとして動作可能なルータがない場合、IGMPスヌーピングが可能なスイッチを代用してIGMPメッセージを生成させ、マルチキャストトラフィックを受信することができる。
※この「レイヤ2転送」の解説は、「IPマルチキャスト」の解説の一部です。
「レイヤ2転送」を含む「IPマルチキャスト」の記事については、「IPマルチキャスト」の概要を参照ください。
- レイヤ2転送のページへのリンク