ランデブーポイントとOnion Service
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 06:56 UTC 版)
「Tor」の記事における「ランデブーポイントとOnion Service」の解説
.onionで終わるドメインの一覧については「Onionドメインの一覧」をご覧ください。 Torの特徴として、Onion Service (旧 Hidden Service (秘匿サービス))が存在する。これにより、サーバのIPアドレスを明かさずに各種 TCP のサービス(Webサーバ、メールサーバ、IRCサーバなど)を運用することが可能である。これは、.onionの識別子を持つ、特殊な疑似アドレスを持たせることにより、特定のIPアドレスと結びつけることなく、Torを実行させているノード同士が接続することができる。一般のWebサイト等にTor経由で接続するのとは異なり、Onion Serviceは深層Webの一角を成すダークネットに含まれ出口ノードは存在しないし、中継ノードが通信の内容を見ることは不可能である。 Alice を接続元、Bob を宛先とすると、このサービスを用いることで、Bob は自身のIPアドレスをさらすことなくサービスを提供でき、アプリケーションもTorの存在を透過的に扱うことができる。 サーバのBobはまず、複数のORを introduction point として指名し、ルックアップサービスへ広告する。このとき、Bobは長期の公開鍵暗号のペアを持っており、これでサービスを証明する。先ほどの広告も、Bobの公開鍵で署名されている。Bobは introduction points までの回線を開き、リクエストを待つように伝える。 AliceはBobのサービスを知ると(ネットや直接Bobに聞いて)、ルックアップサービスから情報を得る。Alice はある OR を rendezvous point (RP) として指名し、回線を構築する。この際、Bob を識別するためにランダムな rendezvous cookie も渡す。 次に、Alice は Bob の introduction points の1つに匿名でストリームを開く。このとき、AliceはBob の公開鍵で暗号化した RP の情報と rendezvous cookie を渡し、DH 鍵共有を始める。introduction point は Bob へそのメッセージを送る。 Bob は了承すると Alice の RP への回線を構築し、rendezvous cookie、DH 鍵共有の返答、セッション鍵のハッシュを送る。Alice のRP は Alice の回線を Bob の回線に接続する。 以上の手続きにおいて、RP は Alice も Bob も知らないし、データの内容も知ることはない。両端は双方のOPになっているので、AliceとBob以外の中継ノードがデータの内容を復号することもできない。 Bobのintroduction pointは複数存在しているので、DoS対策にもなっている。さらに、Alice が introduction point へメッセージを送信するとき、end-to-end の認証トークンも乗せることができる。Onion Serviceの仮想ドメイン、x.y.onion は、xが認証トークン、yがBobの公開鍵のハッシュになっている。
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