ランゲルハンス細胞とアトピー性皮膚炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 23:52 UTC 版)
「ランゲルハンス細胞」の記事における「ランゲルハンス細胞とアトピー性皮膚炎」の解説
ランゲルハンス細胞とアトピー性皮膚炎との関係について、近年様々な研究報告がなされている。ランゲルハンス細胞は、IgE受容体をもっておりIgE抗体を介してアレルゲンを捕捉しアレルギー反応を加速する。I型アレルギーのみならず、IV型(遅延型)アレルギー反応にも重要な働きを演じていることが判明している。また、近年注目されるようになった病態論として表皮バリア破綻説、即ちバリア機能の欠陥という皮膚の生理学的異常の分子レベルの解明が進んでいる。 新しい発見として2005年、ランゲルハンス細胞は病原体の侵入があると免疫系細胞に警戒態勢をとらせると考えられてきたが、それにとどまらず感染や炎症に対する皮膚の反応を弱めていることを、エール大学医学部の研究者たちが明らかにした。 2009年 慶應義塾大学医学部久保亮治特別研究講師、天谷雅行教授らの研究グループは、ランゲルハンス細胞の細胞突起が、表皮に形成される皮膚バリアを突き抜けて外界の抗原、異物を取り込むことを発見した。アトピー性皮膚炎の病態の理解・治療法の開発に結びつく可能性が期待されるが、この領域でのランゲルハンス細胞の役割はまだ十分には解明されていない。
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