ララリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/12 06:20 UTC 版)
上述のようにこの菌のアナモルフ(不完全世代)は酵母であり、独立して自由生活を送る。これが宿主表面で生存し、冬を越して新たな感染の起源となると考えられてきた。しかしながら宿主表面での酵母型タフリナの発見例はごく限られている。実際のところ、タフリナの培養株のほとんどは宿主植物の感染部分から子嚢胞子を得て確立されたものである。 実際にはタフリナの酵母段階が宿主植物上で見つかるのは子嚢の形成される時期に限られている。また、成長が遅くて扱いづらい上に、上記のように担子菌系酵母によく似ていて、これらも頻繁に植物表面で見つかる。これによって研究対象に混乱が生じた例がある事もわかっている。専門の微生物株保存機関にタフリナとして保持されていたものが実際には上記のような他の酵母であった例も発見された。現在では遺伝子情報によってそういった確認は出来る。 アナモルフ酵母(不完全酵母・酵母型の不完全菌)としてタフリナに別の名前が必要との声は1960年代からあったが、手続き的な問題などで若干の混乱があって、結局名前が付いたのは1990年となり、その名がララリア Lalaria である。この酵母はテレオモルフから得た子嚢胞子から培養することも出来るが、単体としては森林の落葉層や生きた植物の葉の表面、花序などから分離される。Inacio et al. (2004) は森林の樹木葉面から多くの株を分離し、その研究からおそらくは植物の地上部表面がこの酵母の生活の場であり、一部には主としてアナモルフ酵母の形で生活する種もあるのではないかと論じている。 しかし、2013年の国際藻類・菌類・植物命名規約(メルボルン規約)によりアナモルフとテレオモルフの二重命名法が否定されたことから、ララリアはタフリナに統合された。
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