ライセンスと商標権の侵害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 07:11 UTC 版)
「ダンジョンズ&ドラゴンズに関する論争」の記事における「ライセンスと商標権の侵害」の解説
初期のTSRの出版物では、J・R・R・トールキンが創作した神話的世界中つ国から数種の種族が借用されていた。これは後に知的財産権への配慮から削除もしくは名称変更された。例えば、D&Dのキャラクター種族の1つホビットはその別名であるハーフリングに置き換えられた。ハーフリングという名もトールキンが考え出したものだが、TSRは侵害に当たらないと判断していた。このほかにもD&D第1版では、トールキン・エンタープライズ(英語版)(当時)による著作権侵害の警告を受けて、エントをトレントに、バルログをタイプ6デーモン・バロールに変更することを余儀なくされた。 TSRは1980年のルール本『ディーティーズ&デミゴッズ』(Deities & Demigods)の初版で、知的財産権法に反してクトゥルフ神話やメルニボネ神話からアイディアを借用した。この問題は最終的に、同作の再版から該当部分を削除することで解決した。 2009年12月、ウィザーズ社の親会社ハズブロはアタリ社に対して訴訟を起こし、アタリがD&Dのライセンス契約に反してヨーロッパでの販売事業をナムコバンダイ・パートナーズに売却したと主張した。アタリがナムコバンダイにD&D独占権の一部を不当にサブライセンスしたことが問題とされた。また原告は、ナムコバンダイがアタリからD&Dに関する機密情報を入手したことと、アタリが販売していたD&Dデジタルゲームのパブリッシャーを装ったことを申し立てた。さらに、アタリがD&Dのライセンス事業に関与していた支社を少なくとも4社ナムコバンダイに売却しながらも、ナムコバンダイとの間にD&Dに関する関係を結んでいないように装ったと主張した。アタリ側は自らが得た権利をハズブロが不当に取り戻そうとしていると主張し、ハズブロと協調することなく係争を解決しようと図った。2011年8月15日、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト、ハズブロ、アタリの3者は、アタリへの告訴とハズブロへの反訴が示談によって解決したことを発表した。その条件の一部として、デジタル部門のD&Dライセンス権はハズブロに返還された。アタリはハズブロとウィザーズからのライセンスを受けて『ダンジョンズ&ドラゴンズ:ダガーデイル』(Dungeons and Dragons: Daggerdale)やFacebookの『ダンジョンズ&ドラゴンズ:ヒーローズ・オブ・ネヴァーウィンター』(Dungeons & Dragons: Heroes of Neverwinter)などのゲームの開発と販売を続けることになった。
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