ヨドバシカメラ違法派遣暴行事件
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「ヨドバシカメラ」の記事における「ヨドバシカメラ違法派遣暴行事件」の解説
ヨドバシカメラ携帯電話売り場に派遣され、「笑顔が足りない」などと言われて暴行された派遣労働者と母・下田治美が、ヨドバシカメラと派遣会社社員などに総額1800万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所(加藤謙一裁判長)はヨドバシカメラ社員とヨドバシカメラ、派遣会社の社員と当該事業者に対し計約560万円の賠償を命じる判決を言い渡した。 この派遣労働者は2002年10月から、2003年3月まで東京都渋谷区の派遣会社に所属していた。派遣会社→DDIポケット(現ソフトバンクモバイル)→ヨドバシカメラという違法な二重派遣構造によるもとで働いていた。派遣会社の社員やヨドバシカメラの社員から計4回にわたって暴行を受けた。 2002年11月29日 - 派遣会社内にてヨドバシカメラから「笑顔が足りない」との通告により、バインダーなどで頭部を約50回殴打される 2002年12月7日、ヨドバシ上野店売り場にて仕事上のミスで、ヨドバシカメラ社員に膝蹴りを数回入れられる 2003年3月13日深夜 - 14日未明 - 派遣会社内にて早出サービス残業への「遅刻」がヨドバシから通告され、派遣会社員が社長の面前で3時間半にわたり暴行したうえ「ペナルティーでトイレを磨き、『便器をなめさせる』」と同氏へ恐喝を働いた 2003年3月14日夕 - 被害者宅に前夜の社員が押しかけ、母・治美の面前で暴行、肋骨骨折をするなど全治2カ月の重傷を負わせたうえ、DDIポケットに連行して「遅刻」への「謝罪」を強要する 暴行を面前で目撃した治美は、心的外傷後ストレス障害で長期間の執筆活動休止に追い込まれる 判決は、暴行の事実をほぼ原告の主張どおりに認定し、ヨドバシ社員の暴行について本人(ヨドバシ社員)とヨドバシに10万円の損害賠償を命令。また、派遣会社社員と派遣会社にあわせて約150万円の損害賠償を、派遣会社に対し精神的苦痛に対する慰謝料400万円を命じたがヨドバシカメラ、DDIポケットの使用者責任は却下された。社内で暴行をうけたにもかかわらず、使用者責任を認定しないこの判決について一部の司法関係者は、企業側により過ぎた不公正な判決と批判している。
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