ユーザー機器サポート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 14:10 UTC 版)
X.25はダム端末をホストコンピュータに接続していた時代に開発されたが、コンピュータ同士の通信にも使えるものである。直接ホストコンピュータと電話回線で接続すると、ホスト側は多数のモデムと電話回線を用意しなければならず、相手側は遠距離であれば長距離接続で料金が高くつくことになる。その代わりに、ホストコンピュータをネットワーク・サービス・プロバイダの網にX.25接続することができる。すると、ダム端末側は最も近いネットワークの PAD(パケット組み立て/分解装置)にダイヤルアップ接続すればよい。PAD は電話回線とX.25のシリアルリンクのゲートウェイであり、ITU-Tの X.29 および X.3 で定義されている。 PAD にダム端末を接続すると、ユーザーはPADに対してどのホストと接続するかを指示するため、X.121 で規定されている電話番号のようなアドレスを入力する(サービスプロバイダがホスト名とX.121アドレスのマッピングを提供している場合は、ホスト名を入力すればよい)。すると、PADはホストに対してX.25の呼を発行し、仮想回線 (VC) を確立する。X.25 が仮想回線を提供するものであることから、これを回線交換網と呼ぶことがあるが、実際にはパケット交換を内部で行っている。2つのX.25ホストが互いに接続することも可能であり、その場合は間にPADは不要である。理論上は、両者が同じキャリアの網に接続しているかどうかは問題にはならないが、実際には業者をまたがった接続が不可能な場合もあった。 フロー制御の目的で、デフォルトのウィンドウサイズが2のスライディングウィンドウプロトコルを使う。肯定応答はローカルなものとエンドツーエンドのものがある。データパケットにあるD (Data Delivery) ビットで送信側がエンドツーエンドの肯定応答を要求しているかどうかを指定する。D=1 なら、肯定応答は相手側のDTEまでデータが到達した後でそのDTEが発行する。D=0 なら、相手側DTEまでデータが届く前にネットワークが肯定応答してもよい(必須ではない)。 PAD機能は X.28 と X.29 で定義されており、特に非同期テキスト端末をサポートするためのものである。様々な通信機器を接続するための PAD と等価な機器が開発された(例えば、IBM の SNA 機器など)。
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