やさし・い【優しい】
読み方:やさしい
[形][文]やさ・し[シク]《動詞「痩(や)す」の形容詞化で、5が原義》
1 姿・ようすなどが優美である。上品で美しい。「—・い顔かたち」「声が—・い」
2 他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。「—・く慰める」「—・い言葉をかける」
3 性質がすなおでしとやかである。穏和で、好ましい感じである。「気だての—・い子」
4 悪い影響を与えない。刺激が少ない。「地球に—・い自動車」「肌に—・い化粧水」
5 身がやせ細るような思いである。ひけめを感じる。恥ずかしい。
「なにをして身のいたづらに老いぬらむ年のおもはむ事ぞ—・しき」〈古今・雑体〉
「繁樹は百八十に及びてこそさぶらふらめど、—・しく申すなり」〈大鏡・序〉
7 殊勝である。けなげである。りっぱである。
やさし・い【易しい】
読み方:やさしい
1 理解や習得がしやすい。単純でわかりやすい。平易である。「—・い本」「—・くかみくだいて話す」⇔難しい。
2 解決や実現がたやすい。面倒なことがなく、容易である。「だれにでもできる—・い仕事」「批評するだけなら—・い」⇔難しい。
3 不用意である。
「猿楽に然様(さやう)ならん—・しき戯れ事は、止むべし」〈今昔・二八・三三〉
[用法] やさしい・たやすい——「その問題を解決するのはやさしい(たやすい)」「やさしい(たやすい)仕事」のように、楽に処理できるの意では相通じて用いられる。◇「コンピューターについてやさしく説明する」のように、わかりやすいという意は「やさしい」だけのもので、「たやすい」にはない。◇「たやすく解ける問題」「たやすく学べる英会話」のように、わけなく、楽にという意の副詞的用法では「たやすく」が適切で、「やさしく」はふつう使わない。◇類似の語に「容易」と「平易」がある。「容易」は「たやすい」とほとんど同義だが、「不信感は容易なことでは消えない」などの慣用的な使い方では「容易」を用いる。「平易」は「やさしい1」と同義で、「むずかしい教義を平易に説いて聞かせる」などと用いる。
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