モーツァルトのベートーヴェンへの影響
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「ベートーヴェンとモーツァルト」の記事における「モーツァルトのベートーヴェンへの影響」の解説
死後もなお、ベートーヴェンの作品へのモーツァルトの影響は明らかであった。例を挙げるとベートーヴェンは交響曲第5番の作曲中に使用していたスケッチ帳にモーツァルトの交響曲第40番のパッセージを書き写しており、第5交響曲の第3楽章はモーツァルトの終楽章に似通った主題で開始される。チャールズ・ローゼンはモーツァルトのピアノ協奏曲第24番が同じ調性で書かれたベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番のモデルとなったのはではないかと考えており、ピアノと管楽のための五重奏曲に関してはモーツァルトのK.452が同じ楽器編成となるベートーヴェンの作品16、弦楽四重奏曲に関してはモーツァルトのK.464(第18番)が同じイ長調のベートーヴェンの作品18-5(第5番)であろうとみている。ロバート・マーシャルはモーツァルトのピアノソナタ第14番(K.457)手本として、同じ調性であるベートーヴェンのピアノソナタ第8番(作品13 『悲愴』)が書かれたのだろうと看做している。 ベートーヴェンはモーツァルトのピアノ協奏曲第20番の第1、第3楽章にカデンツァを書いており(WoO 58)、モーツァルトの主題を用いて4つの変奏曲を作曲している。 『フィガロの結婚』から「もし伯爵様が踊るなら」によるヴァイオリンとピアノのための変奏曲 WoO 40(1792年–1793年); 『ドン・ジョヴァンニ』から「お手をどうぞ」による2つのオーボエとコーラングレのための変奏曲 WoO 28 (?1795年); 『魔笛』から「恋人か女房か」によるチェロとピアノのための変奏曲 作品66 (?1795年); 『魔笛』から「愛を感じる男たちには」によるチェロとピアノのための変奏曲 WoO 46 (1801年) ベートーヴェンはキャリア終盤にも、ディアベリ変奏曲の第22変奏として『ドン・ジョヴァンニ』からレポレッロのアリア「夜も昼も苦労して」を引用してモーツァルトに敬意を払っている。
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