モチーフと解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 03:14 UTC 版)
「バッドアート美術館」の記事における「モチーフと解釈」の解説
トラベルライターのキャッシュ・ピーターズは美術館の作品の多くに共通する6つの特徴を分類している。まずMOBAのアーティストたちは手や足を描くことができず、人物の腕をカンバスの外にのばしたり、長袖で隠したり足であれば状況にふさわしくない履き物でごまかしてしまう。2番目にピーターズはレンブラントや風景画の巨匠ターナーといった「目を瞑っていても絵が描ける」芸術家と比較して、MOBAのアーティストはおそらく目を瞑って描いていると指摘している。例えば空はよく青以外の色で塗られているし、植物相も実在する草木を参照せず自由に作り出され、動物も背景に比して小さすぎるため何という種類の動物であるかを認識することは不可能である。第3に彼らの透視図法には一貫性がなく、絵によっては使われなかったりするし、単一の作品内でも不整合を生じることがある。第4の特徴はMOBAのアーティストが的確に鼻を描くことに困難を感じているように見えるということだ。彼によれば、あまりに何度も鼻に挑戦するために、絵が重ね重ね塗り直されたかのように作品が立体的になっているというのだ。5番目の特徴は、バッドアートの作者は「ミクスト・メディア」(混合手法)を好むということだ。自信がないときの彼らは本物の羽や髪の毛、光る素材をとにかく作品にくっつける。最後にピーターズが示唆しているのは、アーティストは自分の作品がよくないことはわかっているのだが、画面のなかに猿かプードルでも入れておけばましになると思っているらしいということである。 2008年の後半から、MOBAは一部の作品のタイトルと解説を一般人に任せるという実験を行っている。キュレーションの仕事をするスタッフによれば、作品にはあまりに難解なものもあるので、単に芸術的な説明では十分ではない。つまり「解釈」されねばならない 。「ゲストによる解釈展」("Guest Interpretator's Collection")はMOBAの来館者が心をつかまれた作品について書いたエッセイを解説に採用するという一種の招待状だった。コンテストでは二ヶ月ごとに最も良かった分析が決定され、採用された。ボストン大学の教授は次のような思索を発表している。「コレクションそのものに匹敵するほど、美術館の立地もまたおぞましいもの(アブジェクト)へのこだわりと、周縁化された文化の力、その強度への信頼を示している。家に帰る途中でトイレ用洗剤を買っていくのだったということも私は思い出した」。
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