メントールの利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 16:59 UTC 版)
水蒸気蒸留によって葉から薄荷油を抽出し、さらにこれを冷却して再結晶させ、ハッカ脳と呼ばれる複合結晶(主成分はl-メントール)を得る原料に用いられる。これらは食品用、生活用品、タバコなどの香料として、また医薬品用(ハッカ油・ハッカ脳とも日本薬局方に収載されている医薬品である)としても用いられている。食品分野では、昔ながらの菓子、飴などの香料としての用途が代表的である。 1930年代、日本はハッカ生産で世界市場の約7割を占め、アメリカ合衆国製「メンソレータム」などの原料として輸出されていた。第二次世界大戦後の1960年代には、外国産ハッカが台頭した。さらに石油を原料とする合成ハッカが増え、1990年代に産業としてのハッカ栽培は、日本でほぼ途絶えた(合成ハッカについては「メントール」を参照)。 清涼感がするのは爽快な香りや、多く含まれているメントールの性質(体中にある冷たさを感じる受容体を刺激したり、常温で昇華するため気化熱を奪ったりする)によるもの。日本薬局方では、芳香・矯臭・矯味(匂い、味)の目的で調剤に用いる。アロマテラピーの世界では、外国産ミントに比べて甘い感じがなく、気分を高揚させるにも落ち着かせるにも、効果が高いという評価もある。
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