メムノーンの死
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「トロイア戦争にかかわる伝説」の記事における「メムノーンの死」の解説
激突する両雄を見る神々の中でも二人の母、テティスとエーオースの恐れは並大抵のものではなかった。二神はオリュンポスに上り、大神ゼウスの元に我が子のため命乞いをした。二柱の神の嘆願に当惑したゼウスは、アキレウスとメムノーンとの二人の運命を天秤にかけた所、メムノーンの皿が沈んだ。こうして二人の生死は決定された。アキレウスはメムノーンに黒い剣を突き刺し、心臓をえぐった。メムノーンが黒い血の海に倒れると、エエオスが雲に隠れて嘆いたため、天が闇に覆われた。神々がメムノーンの血を集め、イーデー山の尾根にパープラゴネイオス川を作った。この川は毎年メムノーンが死した日が来るたびに血の色に染まり、耐え難い匂いを発する。
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メムノーンの死(『小イーリアス』)
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「トロイア戦争にかかわる伝説」の記事における「メムノーンの死(『小イーリアス』)」の解説
メムノーンの参戦 ペンテシレイアの死後、メムノーンが自国の兵を連れ、トロイアー側に加勢しに来た。メムノーンは貴公子ティートーノスを父とし、曙の女神エーオースを母に持つエチオピアの王である。彼は早朝に戦場へと向かった。 メムノーン、アンティロコスを仕留める 戦いに赴いたメムノーンは、ネストールの子である槍の名手アンティロコスと戦った。アンティロコスはまずメムノーンに槍を投げたが、メムノーンが避けたため槍は彼には当たらず、槍は彼の親友アイトプスを殺した。親友を殺され激怒したメムノーンはアンティロコスに襲い掛かった。アンティロコスは大石でメムノーンの頭蓋を殴り反撃したものの、兜に守られたメムノーンを殺すには至らなかった。アンティロコスの攻撃に耐えたメムノーンは獰猛な獅子が猪を襲うかのようにアンティロコスに襲い掛かり、槍で心臓を貫いてアンティロコスを殺した。 トラシュメーデース、メムノーンに迫る。 これの様子を見たネストールは悲観にくれ、アンティロコスの弟であるトラシュメーデースにメムノーンを殺すべく檄を飛ばした。トラシュメーデースは家来であるペーレウス(アキレウスの父とは別人)を連れ、共にメムノーンへと向かった。二人はトロイアーの軍兵を殺し、メムノーンに迫ったが、メムノーンは自分のほうが二人より遥かに優れている事を確信していたため、あわてる様子もなくアンティロコスの死体から武具を外していた。メムノーンとの力の差を思い知り、二人は戦意を喪失した。 メムノーン、老ネストールを諌める メムノーンは自分の父ティートーノスと同じ年頃である老ネストールに哀れをもよおし、ネストールを諌め、退却するよう促した。我が子アンティロコスを殺されたネストールはメムノーンに毒ついたものの、老いた自分がメムノーンに勝てるはずもないため、トラシュメーデースおよびペーレウスと共にメムノーンの元を去っていった。 アキレウスとメムノーンの激突 アンティロコスの武具を奪ったメムノーンはアカイア勢へと迫り、多くの雑兵を殺した。その間、メムノーンの元から逃げ帰ったネストールはアキレウスに、メムノーンを倒し、アンティロコスの死体と武具とを奪い返すように頼んだ。アンティロコスや他のアカイア勢の死に憤激したアキレウスはメムノーンへと迫った。対峙したアキレウスとメムノーンとはまず激しい舌戦を繰り広げた後、戦い始めた。 二人の戦いは、エリス(不和女神)、血に飢えたケール(死神)、邪悪なオレトロス(同じく死神)を楽しませるのみならず、天上の神々の注目をも集めた。 メムノーンの死 激突する両雄を見る神々の中でも二人の母、テティスとエーオースの恐れは並大抵のものではなかった。二神はオリュンポスに上り、大神ゼウスの元に我が子のため命乞いをした。二柱の神の嘆願に当惑したゼウスは、アキレウスとメムノーンとの二人の運命を天秤にかけた所、メムノーンの皿が沈んだ。こうして二人の生死は決定された。アキレウスはメムノーンに黒い剣を突き刺し、心臓をえぐった。メムノーンが黒い血の海に倒れると、エエオスが雲に隠れて嘆いたため、天が闇に覆われた。神々がメムノーンの血を集め、イーデー山の尾根にパープラゴネイオス川を作った。この川は毎年メムノーンが死した日が来るたびに血の色に染まり、耐え難い匂いを発する。
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