メディアにおける取扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 15:09 UTC 版)
日本では、八極拳は中国武術の中でも漫画やテレビゲームなどで取り上げられる事が多い流派である。 その嚆矢として、漫画の『男組』(1974年~1979年連載)がある。劇中、主人公で陳家太極拳の使い手である流全次郎が、八極拳に対して全く歯が立たず、その後八極拳を身に着けることで宿敵を倒していく様が描かれている。続いて、漫画『拳児』(1988年~1992年連載)では、主人公は若き八極拳の修行者という設定であり、具体的な八極拳の練習の様子から実戦までもが専門的な解説を踏まえて詳細に描かれ、八極拳の特徴が一般に知られる重要なきっかけとなった。これら2つのマンガ作品においては、松田隆智の影響が大きい。『男組』では協力、『拳児』においては原作者として関わっている。 以上のようにマンガ作品の中で取り上げられた影響もあり、次に、ゲーム開発者らが八極拳を格闘ゲーム中に採用する例が相次いだ。中でもセガの『バーチャファイター』の主人公結城晶が、八極拳を使うキャラクターとして知名度が高い。スクウェア(現:スクウェア・エニックス)の『エアガイツ』においては、実在した武術家李書文が登場するなど、八極拳のゲーム業界における人気度をうかがうことができる。なお、バーチャファイター中の八極拳は、清朝の皇帝親衛隊が扱う八極拳に苦しめられた日本軍が晶の祖父に命じて独自に開発させたものをベースとしているという設定で、実在の八極拳をモデルにした架空の「結城流八極拳」ともいうべきものである。このゲーム中の八極拳を、あえて取り入れている作品もある(マンガ『エアマスター』中の登場人物、駒田シゲオ参照)。 機動戦士ガンダムSEEDおよびその外伝に当たる機動戦士ガンダムSEED ASTRAYに登場するM1アストレイは劇中で八極拳の動作を見せている。これは、アストレイの主人公の一人ロウ・ギュールがアストレイレッドフレームに八極拳の動作を教え込んでいたのに起因する。 Fateシリーズに登場する言峰綺礼は作中で八極拳をベースとした独自の殺人拳を用いての戦闘を繰り広げている。 エンターテインメントのメディアでの露出増加にともなって、日本国内での八極拳練習者は増加した。八極拳を学んだ日本人または日本在住の中国人が指導を行う練習会や道場の数も増え、テレビや雑誌の取材も少数ながら見られるようになった。
※この「メディアにおける取扱い」の解説は、「八極拳」の解説の一部です。
「メディアにおける取扱い」を含む「八極拳」の記事については、「八極拳」の概要を参照ください。
- メディアにおける取扱いのページへのリンク