メダカ科とは? わかりやすく解説

メダカ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 05:55 UTC 版)

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メダカ科
Oryzias woworae
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ダツ目 Beloniformes
: メダカ科
Adrianichthyidae
M. C. W. Weber, 1913
英名
Ricefish
Adrianichthyidae
亜科・

Adrianichthyinae亜科 Weber, 1913

  • Adrianichthys Weber, 1913

メダカ亜科 Myers, 1938

メダカ科学名: Adrianichthyidae)とは、インドから日本マレー諸島(特にスラウェシ島が著名であり、ポソ湖ロレ・リンドゥ産の種が buntingi として知られる)の淡水・汽水域に生息する小型の条鰭魚からなるである[1]。 いくつかの種が水田に生息していることから、英語圏などで「米の魚」(英語: ricefishドイツ語: Reisfische)という意味の名前で呼ばれる[2]。この科は2(第3の属として Xenopoecilus 属を認めることもある)37種からなる。いくつかの種は希少で絶滅の危機に瀕しており、2-4種はすでに絶滅している可能性がある[1][3]

概要

多くの種は小型であり、アクアリウムなどで利用される。Adrianichthysは種によって 8.5-17.1cm ほどの大きさになる[4]。一方のメダカ属Oryzias)は最大でも 8cm ほどであり、多くの種はその半分以下の大きさにしかならず、最小の種にいたってはわずか 1.6cm ほどである[5]。変わった顎の構造や通常より多い尾骨など、多くの独特な特徴をもつ[2]ミナミメダカO. latipes)は発生生物学の研究に用いられるモデル生物として有名である。同種は宇宙にも持っていかれ、脊椎動物として初めて宇宙で交尾し、健康な子供を生んだ[6]

遺伝学の研究から、メダカ科はもともとスラウェシ島で進化し、そこからアジア本土に広がったことが示唆されている。スラウェシ島に生息する Xenopoecilus 属はこの進化とは明らかに無関係であり、形態学的にメダカ属の種が分化したものと考えられる[7]

分類

メダカの仲間はかつてカダヤシ目に分類されていたが、1980年代には研究者によって、主に鰓弓と舌骨の特徴から単系統群であり、ダツ目のメダカ科に属することが明らかにされた(同科はダツ目に属する3亜目の1つであるメダカ亜目を構成する)。それ以降も少数の研究者はカダヤシ目に分類していたが、近年の分子生物学上の研究はダツ目に分類する考えを支持している[8]

歴史

メダカの仲間は17世紀以来アクアリウムで飼われてきたと信じられている。中でもミナミメダカは最初に飼育されるようになったものの1種であり、元の白みを帯びた色彩とは異なる金色の品種が作り出されている[6]

生殖

多くの魚と同じように、メダカ科の魚も普通は体外受精した卵を産む。しかし、ミナミメダカなど一部の種は体内受精し、胚の発育に合わせて卵を体内で保持することが知られている。その後、メスは孵化する直前に卵を産みつける。それ以外では、腹びれの間に卵をつけて運ぶ種も存在する[2]

脚注

  1. ^ a b Parenti, L.R. (2008). “A phylogenetic analysis and taxonomic revision of ricefishes, Oryzias and relatives (Beloniformes, Adrianichthyidae)”. Zoological Journal of the Linnean Society 154 (3): 494–610. doi:10.1111/j.1096-3642.2008.00417.x. 
  2. ^ a b c Parenti, Lynne R. (1998). Paxton, J.R.. ed. Encyclopedia of Fishes. San Diego: Academic Press. pp. 152. ISBN 0-12-547665-5 
  3. ^ http://www.redorbit.com/education/reference_library/science_1/fish/2578402/ricefish/ [リンク切れ]
  4. ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2017). Species of Adrianichthys in FishBase. February 2017 version.
  5. ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2017). Species of Oryzias in FishBase. February 2017 version.
  6. ^ a b Ricefish from the Genus Oryzias | Tropical Fish Hobbyist Magazine”. 2013年11月25日閲覧。
  7. ^ Takehana et al., 2005
  8. ^ J. S. Nelson; T. C. Grande; M. V. H. Wilson (2016). Fishes of the World (5th ed.). Wiley. pp. 363–364. ISBN 978-1-118-34233-6. https://sites.google.com/site/fotw5th/ 

出典

外部リンク


メダカ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 14:49 UTC 版)

ダツ目」の記事における「メダカ科」の解説

メダカ科 Adrianichthyidae は3亜科4属28からなりインドから日本オーストラリア周辺の島嶼地帯分布するすべての種類淡水あるいは汽水域生息する日本生息するのはミナミメダカOryzias latipes)とキタノメダカ(Oryzias sakaizumii)。体部側線もたないメダカ亜科 Oryziinae 1属22種。最大長は9cmほどで、卵生。顎はさほど大きくならない大きさ形態性的二形がみられ、背鰭臀鰭は雄の方が大きい。メダカ属 Oryzias Adrianichthyinae 亜科 2属5種で、インドネシアスラウェシ島分布する突き出した大きな顎と、シャベル状の口が特徴卵生で、腹鰭使って抱卵する。最大で20cmにまで成長する。Adrianichthys 属 Xenopoecilus 属 Horaichthyinae 亜科 1属1種で、H. setnai のみが所属するインド西部淡水汽水域から、沿岸部にかけて生息する体内受精をするグループで、雌は受精卵を産む。体長3cm程度で、細く透明の体をもつ。背鰭小さく尾鰭のすぐ近くにある。臀鰭基底長い。雌では右の腹鰭を欠くという特徴がある。主上顎骨を欠く。Horaichthys 属

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