ムーディーズ、フィッチの反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 15:22 UTC 版)
「米国債ショック」の記事における「ムーディーズ、フィッチの反応」の解説
S&Pと並ぶ大手格付け機関であるムーディーズとフィッチ・レーティングスは、米国債の最高級格付けを据え置き、S&Pと異なる見解を示した。 既にムーディーズは2月2日付のリポートで、2011会計年度(10年10月~11年9月)予算教書における「2010会計年度(09年10月~10年9月)の財政赤字は過去最高の1兆5600億ドル、対国内総生産(CDP)比で10.6%に膨らむ」との連邦政府の予想について、「GDP比での債務水準を安定させず、債務の金利支払いに充てられる政府支出の割合は着実に増加している」と指摘。失業率が高止まりするなか、現時点で大規模な財政再建を行うことは政治的に困難で、経済の回復を遅らせる可能性があるとした。また財政委員会構想について「連邦政府は一段の措置が必要だと認識している」と見る一方、委員会が目標を達成するにはさらなる増税や歳出削減を必要とし、それは政治的に困難であるとの認識を示した。。これを受けて7月13日の時点で格付けを引き下げる方向で見直すと発表していたが、債務上限引き上げ法成立を受けて格付けを据え置いた。ただし見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げている。 フィッチは声明文の中で債務上限引き上げ法を高く評価し、「世界の金融市場における米国の重要な役割や、ドルの準備通貨としての地位、多様化された米経済が米国に対する信頼を支えている」と楽観的な見解を示した。しかしその一方で特別委員会の動きを見守り、進展が見られなければ見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げられる可能性が大きいともしている。アメリカ政府はフィッチの据え置き決定を歓迎した。
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