マーベルとDCの動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 10:17 UTC 版)
「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」の記事における「マーベルとDCの動向」の解説
1978年、『ハワード・ザ・ダック』のライターであったスティーヴ・ガーバー(英語版)とマーベルの間で著作権を巡る争いが起きた。カウンターカルチャーの空気を漂わせる独特な言動で人気を集めていたハワード・ザ・ダックは、ガーバーが1973年に請け負ったストーリーで脇役として初めて登場した。ガーバーはそのような付随的なキャラクターは職務著作契約の範囲外だと主張した。これはシーゲルとシュスター以来初めてクリエイターが出版社から自作キャラクターの権利を取り戻そうとした事件であり、業界の大きな注目を浴びた。ガーバーは1981年に著作権侵害の訴えを起こしたが、権利を取り戻せないまま1983年に示談が成立した。 1980年代の半ばから終わりにかけて、主流のスーパーヒーロージャンルも含めて、著作権の帰属がコミック界の一大関心事(英語版)となった。クリエイターとDC やファースト などの出版社との間で衝突が相次ぎ、業界全体を巻き込む論争となった。このころ、クリエイターと職務著作でしか契約を結んでいないコミック出版社はマーベルとDCのみだった。フランク・ミラーによると、当時マーベル社と契約するフリーランサーは、同社で刊行される作品は過去・現在・未来にわたって職務著作だという誓約書に署名しなければならなかった。DC社はそれよりも規定が緩く、職務著作であるか否かは号ごとに決められた。1988年の秋にDCは契約方針を改定し、個人クリエイターの権利を拡大すると発表した。
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