マリの文化と宗教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/17 05:58 UTC 版)
「マリ (シリア)」の記事における「マリの文化と宗教」の解説
マリの市民は精巧な髪形と服装で知られており、バビロンから240km以上上流にあるにもかかわらずメソポタミア文明のを一部をなしていたとみられる。マリはメソポタミア南部諸都市の作った交易用前哨として機能したという見方もある。 マリの市民はシュメールの神々を崇拝した。マリの最高神は西セム系の穀物神で嵐の神ダゴン(ダガン)であり、ダゴンに捧げられた神殿があったほか、豊穣の女神イシュタルに捧げられた神殿、太陽神シャマシュに捧げられた神殿も発見された。シャマシュは全てを見ている全知の神として知られ、二つの大きな扉の前に立つシャマシュの姿が多くの印章に彫られている。ギルガメシュ叙事詩によれば、これらの扉はマシュの山にあり、天国の東の扉であるという。マリの広範囲にわたる交易路を通して、シュメールの神々はエブラやウガリットなどシュメール以外の文化圏にも伝えられ、地元の神々と混交した。 アモリ系王朝を創始したヤフドゥン・リムの王女は嵐の神アダド神の神官であり、王家の神として崇拝された。また1930年代後半の発掘では椅子に座った頭部の欠落した女神像が出土しており、椅子の両側に穴があることからブランコに乗った豊穣の女神ニンフルサグではないかと考えられている。インドや古代ギリシャや古代ローマなどに見られるブランコに女性が乗る豊穣儀礼との関係が指摘されている。
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