マスメディアとの関わり
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「赤ちゃんポスト」の記事における「マスメディアとの関わり」の解説
慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」については、大きな話題を呼んだことから、テレビ番組などマスメディアでも度々取り上げられている。 2013年11月25日には、TBS制作のテレビドラマ『こうのとりのゆりかご〜「赤ちゃんポスト」の6年間と救われた92の命の未来〜』が放映された。当時はプライバシー保護の観点から、TBS側はドキュメンタリー番組としての制作は困難と判断し、実話を元にしたフィクションとして制作された。熊本市を舞台とし、病院名は「聖母子病院」という設定になっている。制作にあたり慈恵病院のほか、系列局のRKK熊本放送、熊本県および熊本市のフィルム・コミッション、熊本市交通局など地元の全面的な協力を得て撮影された。 TBSのテレビドラマ放映にあたり慈恵病院は、「子供の遺棄・殺人という最悪の事態を防ぐための、最終手段としての『こうのとりのゆりかご』の存在をまず知ってほしい」「子供を託す親も様々な事情を抱えており、善悪や賛否はともあれ子供が預けられ、その子供たちが成長しているという現実を、広く社会に知ってほしい。子供たちのためにどうすべきか共に考えてほしい」という旨のメッセージを公式サイトに掲載した。このテレビドラマ放映の影響により2014年は同病院への相談件数が増加した。 NHKテレビでは継続的に取材を続けており、2015年4月からノンフィクション番組として放送している。『クローズアップ現代+』では、「ゆりかご」設置8年目の2015年4月7日に「“ポスト” に託された命~赤ちゃん100人のその後~」として放送し、設置10年目の2017年6月8日には「僕の生みの親はどこに?~10年後の赤ちゃんポスト~」として放送され、番組中では「こうのとりのゆりかご」に預けられた後に成長した少年がインタビューに答えた。またNHK教育テレビ『ETV特集』『ハートネットTV』などでも複数回放送されている。 NHKの番組での取材内容は、NHK出版新書『なぜ、わが子を棄てるのか―「赤ちゃんポスト」10年の真実』としてまとめられ、2018年5月8日に出版された。この新書には2017年の『クローズアップ現代+』で放映された少年のインタビューも収録されている。少年は里親家庭に引き取られ大切に育てられているが、新生児ではなく幼児の頃に「こうのとりのゆりかご」に預けられ、その時のことを鮮明に記憶しており、「ゆりかご」に置き去りにされた瞬間をルーズリーフに描いて勉強机の引き出しにしまっているという。少年はNHKの取材に対し、「僕をポストに入れてくれなければ、お父さんとお母さん(里親のこと)と会えなかったと思うし、この家で生活することもできなかった。道端に置き去りにするんじゃなくて、ポストに入れてくれてよかった。赤ちゃんポストに入れてくれたから今の僕がある。『ありがとう』と言いたい」と答えている。一方で少年は、自分の生みの親がわからないことで混乱し、どんな人だったのかと悩んだ時期もあったと告白し、「(生みの親の)写真を1枚でもいいから、赤ちゃんポストの中に一緒に入れてほしかった」と語っている。
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