ポーカーフェイス

実用日本語表現辞典

ポーカーフェイス

英語：poker face

 「ポーカーフェイス」とは、自分の感情・気持ちを表情に出さない振る舞いのことを意味する表現。

「ポーカーフェイス」とは・「ポーカーフェイス」の意味

ポーカーフェイスとは、嬉しい、楽しい、または悲しい、腹立たしいなどの喜怒哀楽の感情を顔に表さない、表情に出さない振る舞いのことである。いい意味では冷静でクールに見える特徴として使用され、悪い意味では冷徹で気持ちが読めない、何を考えているか分からない、と解釈されることとなる。英単語のポーカーフェイスからなるカタカナ語であり、英語にするとスペルは「poker face」、日本語に訳すと「無表情」で意味も同じだ。だが、無表情は感情すら持っていない印象を受けるのに対し、ポーカーフェイスは感情を隠した一種の表情であるため、まったく同じ意味というわけではない。

また、相手に自分の心理を読み取られないようにあえて行う行動という一面もあり、表情はポーカーフェイスを作れても無意識に仕草や言葉の抑揚などで気持ちや心理が暴かれることもある。

「ポーカーフェイス」の語源・由来

ポーカーフェイスは、トランプを使用して行われるゲームの代表的な存在である「ポーカー」が由来となっている言葉だ。対戦相手がどのカードを出すのか、どのカードを手に持っているのか、などを予測してプレイするゲームで、自分の手持ちのカードの内容が相手に分からないように振る舞うために、嬉しい、悲しい、などの表情を出さずにゲームを進めることからポーカーフェイスという言い方がされるようになった。

「ポーカーフェイス」の熟語・言い回し

ポーカーフェイスの女性とは

ポーカーフェイスの女性とは、気持ちを把握することが難しいミステリアスな女性のことである。しばしば駆け引きに利用されるシーンもあり、性格や方向性が一括りにできない雰囲気に魅了される人も多い。

ポーカーフェイスの人とは

ポーカーフェイスの人とは、普段から冷静沈着で感情にまかせた発言や行動をしたりしない人のことである。感情を抑えて人と接するため、ビジネスシーンでは冷静な対応や取引などを行う際に役に立つが、冷たい性格の人だと勘違いされるケースも多く、プライベートではポーカーフェイスはマイナスに作用することもあるので注意が必要だ。また、人によっては自分の感情を表さないで過ごすためストレスを感じたり、感情の赴くままに振る舞う人を軽んじたりすることもある。

ポーカーフェイスを身につけるとは

ポーカーフェイスは本来備わった性格、という人も存在するが、多くの人は努力をして身につけたスキルである。身につける方法としては、現在の感情とは反対の感情を取る、視線をあちこち動かさないで一点を凝視する、などが挙げられる。冷静さを得ることができるので、今まで気付けなかったことに気が付く、様々なものを感受する範囲が広がる、などのメリットも得られるスキルだ。また、シーンによっては話したくない人や関わりたくない人、深く付き合いたくない人などに対してポーカーフェイスを利用すると、もめることなく相手が離れていくことも期待できる。

「ポーカーフェイス」の使い方・例文

ポーカーフェイスは、人の表情や性格、雰囲気などに使用する言葉のため、例文としては「彼のポーカーフェイスは魅力的ね」や「あのポーカーフェイス、何を考えているか分からなくて寂しいわ」などが挙げられる。また、「今回の商談はポーカーフェイスで行こう。相手に悟られるなよ」や「会社ではポーカーフェイスでクールな態度を装っているけど、普段は結構笑う人なんだよ」、「ポーカーフェイスでどんな得をしたことがあるの」や「私はポーカーフェイスではなくて、本当にここがつまらない場所だからこんな表情なのよ」なども例文となる。

さらに、「ポーカーフェイスが崩れて感情がダダ洩れじゃないか」や「彼はポーカーフェイスという武器で見事に仕事を勝ち取った」、「この中で誰が一番ポーカーフェイスかしら」や「ポーカーフェイスだからと言って、感情が無い訳じゃないからね」という使い方もする。

（2022年12月27日更新）