ホルシュタイン=ゴットルプ王朝とは? わかりやすく解説

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ホルシュタイン=ゴットルプ王朝

(ホルシュタイン・ゴットルプ朝 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/25 05:30 UTC 版)

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ホルシュタイン=ゴットルプ王朝スウェーデン語:Holstein-Gottorpska ätten)は、18世紀から19世紀にかけてスウェーデンを支配した王朝シュレースヴィヒ=ホルシュタイン公国を支配したホルシュタイン=ゴットルプ家の分枝の一つによる王朝である。1814年にスウェーデン=ノルウェー連合王国が成立したが、1818年にホルシュタイン=ゴットルプ王朝は終焉。連合王国はベルナドッテ王朝に引き継がれた。

概要

ホルシュタイン=ゴットルプ家は、本来デンマーク王家オルデンブルク家の傍流であり、デンマーク貴族の家系であったが、フレデリク4世の時、スウェーデン王家のプファルツ家と婚姻を結び、王位継承権を得る。しかし大北方戦争でのスウェーデンの敗北により、フレデリク4世直系は継承権を失ってしまう。1720年プファルツ王朝の後を襲って王位に就いたのは、プファルツ家の外戚ヘッセン家フレドリク1世であった。しかしフレドリク1世には嗣子がなかったため、スウェーデン議会は王位継承権第2位のホルシュタイン=ゴットルプ家に白羽の矢を立てた。ホルシュタイン=ゴットルプ公の本家は、対立していたロシア帝国と婚姻関係を結んでおり、本流を迎える事が出来なかった。しかし、ロシアとの平和を考慮し、フレデリク4世の弟クリスティアン・アウグストの息子アドルフ・フレドリクが王位継承者に選ばれた。そして、プロイセン王女ロヴィーサ・ウルリカとの結婚は、当時対立していたスウェーデン議会の親ロシア派、親西欧派の和解に役立つものとして歓迎された。

しかし当時のスウェーデンは、プロイセン王国、ロシア帝国から政治資金が流れ、党派が国政を動かし、国力は弱体化して列強の傀儡に墜ちていた。文化の面では自由の時代を謳歌していたが、大北方戦争以後のスウェーデンの没落時代を象徴をなすものであった。

こうした国情を憂慮したグスタフ3世は、即位した翌年に王党派の支持の下にクーデターを完遂し、王権を奪回した(グスタフ3世のクーデター)。グスタフ3世は啓蒙主義思想を持ち(啓蒙専制君主)、国家の復興を成し遂げ、ロシアとの戦争にも事実上勝利し、フランス革命にも干渉するなど、スウェーデンの大国復興に熱意を燃やしたが、1792年暗殺された。絶対君主制を再開したのは、1790年だったが、グスタフ3世は、すでに1772年のクーデターによって一定の王権を確立させており、その親子の名を取って1809年までを「グスタフ朝絶対主義」あるいは「グスタフ朝時代」と呼称された。特にグスタフ3世の時代は文化の面において「ロココの時代」とも称された。1809年に絶対君主制が廃止されて以降、スウェーデンは立憲君主制国家となり今日に至っている。

その後スウェーデンは保守主義に徹し、国内の統制を強めた。グスタフ4世親政に転じた後は、フランス革命戦争の調停役となるが失敗し、以後反ナポレオンの一員となってナポレオン戦争に参戦する。しかしスウェーデンの参加した第三次第四次対仏大同盟は、ナポレオン1世によって壊滅させられた。この時スウェーデンは、大陸封鎖令を拒否した事からロシアの侵攻を受け、属領であったフィンランドを失った。失政を犯した国王は追放され、さらにオルデンブルク家の別の支流であるアウグステンブルク家から王太子に迎えたカール・アウグストが急死し、まさにスウェーデンは死に瀕したのである。

こうした状況で、フランス元帥ベルナドットがスウェーデン王太子に推戴された。しかしベルナドットは反ナポレオンに転向し、解放戦争において、ヨーロッパの解放に重要な役割を果たした。戦勝国となったスウェーデンは、1813年キール条約、次いで1814年ウィーン条約ノルウェーを獲得をした。すべてベルナドットのおかげだった。1814年、カール13世はノルウェー国王カール2世として即位(同君連合)。スウェーデン=ノルウェー連合王国は、1905年まで継続した。

1818年、最後の国王カール13世の死後、ベルナドットがカール14世ヨハンとして即位し、ホルシュタイン=ゴットルプ朝は終焉を迎えた。グスタフ4世の子、グスタフ王太子(ヴァーサ公)を擁立する動きもあったが退けられ、ヴァーサ公に男子がなかったため、スウェーデンのホルシュタイン=ゴットルプ家は断絶した。

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