ホテルの対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 15:00 UTC 版)
前述のように、違法な増改築を繰り返してきたが、防火設備が不充分なだけでなく管理も杜撰であった。防火対策は建築基準法で義務付けられている防火設備の作動状況などの報告を38年前に一度行っていただけであったり、元経営者であった火元責任者の死亡を消防署に届け出ていないなど杜撰な状況であった。また防火管理者は元経営者の高齢の妻で、現在の経営者の女性の母であった。また、市に提出が義務付けられている定期報告も1974年を最後に38年も提出していなかった。[要出典] ホテルの内部は増改築を繰り返したことから、階段は狭く廊下には経路案内の豆電球があるだけで暗く、逃げにくい印象を持つ構造であった。なお、福山市などが明らかにしたホテル側の法律上の不備は以下のとおり。 消防法消防用設備等の点検結果の不報告。 屋内消火栓に非常電源がなく、火災発生時に使えない可能性がある。 火災の避難訓練を実施していない。 建築基準法階段や吹き抜けの防火扉が密閉できず上階に煙が立ち込みやすい構造。 屋内階段の幅が基準の120cmよりも狭い。 廊下に独立した電源で作動する非常灯がない。 室内側の窓がベニヤ板でふさがれ排煙機能が不充分。 室内にあるベニヤ板が難燃性ではない。 コンロ周りなど室内の防火対策が不充分。 客室とそれ以外の部分を隔てる耐火壁がない。 300平方メートル以上ある2階部分は耐火・準耐火構造にしなければならないのに木造部分がある。 これらの指摘に対し経営者の女性は「金のかかる部分なので、今すぐ改善するのは難しい」と経済的理由から難色を示していた。
※この「ホテルの対応」の解説は、「福山ホテル火災」の解説の一部です。
「ホテルの対応」を含む「福山ホテル火災」の記事については、「福山ホテル火災」の概要を参照ください。
- ホテルの対応のページへのリンク