ペットボトルの再使用
現状、日本では使用済みのペットボトルを再資源化(リサイクル)するのが常識です。カーペットや作業服、卵パックなどの材料となるほか、使用済みボトルを原料に新しいペットボトルをつくる技術もあります。
これに対しリユースは使用済みボトルを入念に洗浄し、再び中身を詰めて販売します。リサイクルに比べて資源消費量や二酸化炭素(CO2)排出量が半減するといわれており、導入を進めているドイツでは20回程度繰り返し使う例も珍しくありません。
ただ、リユースは課題を多く抱えています。ペットボトルの原料であるポリエチレンテレフタレート(PET)は化学物質を吸着しやすく、飲料の残留成分を完全に洗浄・除去するのは困難との見方があります。また、ボトルを繰り返し使うには厚手にして耐久性を高める必要があり、原料の使用量は従来のボトルより増えてしまいます。
ペットボトルの主要ユーザーである清涼飲料業界は製造・配送時の二酸化炭素(CO2)排出量を削減するためにボトルの軽量化に取り組んできました。リユースによる原料使用量の増加は、この流れに逆行するとも言えます。安全面での抵抗感もあり、同業界はリユースに否定的な姿勢を崩していません。
(掲載日:2008/10/27)
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