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プロジェクトFUKUSHIMA!
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/26 03:28 UTC 版)
プロジェクトFUKUSHIMA! (プロジェクトふくしま)は、福島県のアートプロジェクト。東日本大震災発生後の2011年5月8日に、ミュージシャンの遠藤ミチロウ、大友良英、詩人の和合亮一が代表となって設立された。震災後の福島の現状を伝えることを目的としたジャンル横断的なプロジェクトとして、フェスティバル、ワークショップ、動画配信などを行っている。2015年から、山岸清之進が代表を務めている[1]。
注釈
- ^ DOMMUNEではDJのラリー・ハードとMOODMAN(ムードマン)によるプレイを3月13日にライブ配信した。震災後のエンターテイメント番組としては最も早い部類であり、当時はテレビ番組もバラエティを自粛している時期で、節電協力の呼びかけも出ており、配信は賛否を呼んだ[13]。
- ^ ACジャパンのCMをはじめとする「日本は強い国」「日本人はやれる」「日本は負けない」「がんばろう」などのメッセージは、被災地では違和感を覚えたり不快に思う反応もあった[15]。
- ^ 竹内は作業員として福島第一原発に勤務し、東京電力のライブカメラに向かって防護服姿で指を差し、語りかける仕草をした[17]。開発は仮設住宅に似た小屋を南相馬市に建て、「政治家の家」という看板を掲げ、小屋に招待する手紙を国会議員に送った[18]。
- ^ ベン・シャーンには、第五福竜丸を描いた作品もある。和合亮一はベン・シャーン展での展示拒否にショックを受け、これを題材とした詩を書いた[20]。
- ^ 川久保ジョイは、福島第一原発から800メートル離れた大熊町の地面にフィルムを埋めて現像した『千の太陽の光が一時に天空に輝きを放ったならば』(2014年)を発表した[22]。アーティストグループのChim↑Pomの発案で2015年から開催中の国際展『ドント・フォロー・ザ・ウィンド』(DFW)は、帰還困難区域を会場としている。住民の許可を得たChim↑Pomが会場を設営したが、区域の封鎖が解除されるまで一般の鑑賞はできない[1]。
- ^ 和合は震災前から、小中学生に詩を教える「詩の寺小屋」を福島県立図書館で開催していた[24]。74本の木々に名前をつけて74の詩を書く「74の樹木」というプロジェクトは書籍化された[25]。
- ^ 和合は『詩の礫』を書いていた当時、高校時代から聴いていたイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』、『BGM』、『テクノデリック』、『テクノドン』をかけていたと語っている[27]。
- ^ 『詩の礫』は、2017年にフランスのNUNC誌が主催するニュンク・レビュー・ポエトリー賞で外国語部門を受賞した[29]。
- ^ 遠藤は、8月15日は終戦日であるとともに日本の民主主義の始まりでもあり、アメリカとの関係、高度成長期、原子力発電所の建設にもつながる象徴的な日だと考えていた。また、お盆と慰霊のイメージもあった[30]。
- ^ 大友がイベント開催への強い賛成意見を最初に聞いたのは、和合と飲んでいた居酒屋の店主からだったという[32]。
- ^ この講演の内容は、大友の著書『クロニクルFUKUSHIMA』に収録されている[36]。
- ^ 大友は木村との出会いについて「いろいろ迷いながら進めてきたんですけど、(中略)相談していく中でだんだん迷いが確信に変わり、『やっぱりやろう』ってなりました」とも語っている[43]。
- ^ 山岸がディレクターを務めた番組にドレミノテレビなどがある。
- ^ 山岸は、プロジェクト参加後は遠藤ミチロウの『FUKUSHIMA』、漫画家のしりあがり寿の『あの日からのマンガ』、写真家の広川泰士の『Still Crazy 原発 53基の原子炉』に助けられたと語っている[2]。
- ^ 8月14日時点の会場の線量は、地表1メートルで最大で毎時0.58マイクロシーベルト、地表面で毎時0.69マイクロシーベルトであり、1日で浴びる線量としては影響はないと木村は語った。当日のインタビュー時で会場にいた際は、毎時0.2マイクロシーベルトだった[47]。
- ^ 出演は福島群読団2011、遠藤賢司、和合亮一『詩の礫』(朗読は和合、音楽は大友、坂本龍一)、木村真三の報告会、七尾旅人+原田郁子 スペシャルバンド[49]
- ^ 出演は二階堂和美、ムーン♀ママ(メンバーはピカ☆、坂本弘道)、天鼓、向井秀徳[49]
- ^ 出演はThe Camels、ほいどの森、SKIP ON THE BASS、静寂(メンバーは灰野敬二、ナスノミツル、一楽儀光)、De+LAX[49]
- ^ 出演はプロジェクトMadamguitar! with 会津マスクワイア、グループ魂、頭脳警察、遠藤ミチロウ「ザ・スターリン246」、渋さ知らズ[49]
- ^ この他、7月に急逝したレイ・ハラカミのために『テクノポリス』が演奏された。演奏者は坂本龍一、大友良英、勝井祐二、U-zhaan[50]。
- ^ 大友は、「その場にいる人たちが、自分たちの今現在もっている力で音楽を作り出していくような方法」と呼んでいる。アイデアは、ブッチ・モリスによる『コンダクション』をもとにしている[51]。
- ^ 2012年はケージ生誕100年であり、サントリーホールで記念イベントが行われていた。大友の作品はケージの『ミュージサーカス』へのオマージュでもある[53]。
- ^ 中﨑はどう断るかを考えていたが、新幹線を降りる頃には賛成していたという[55]。
- ^ アサノは、震災前には「文化的な取り組みは安定した生活の上に付加される余剰なものではないか」と考えていたが、震災後には「不安定な生活や厳しい状況においてこそ、文化的な取り組みは必要とされる」と考えるようになった[57]。
- ^ 福島での大規模な参加型アートとして、加藤翼の『The Lighthouses - 11.3 PROJECT』(2011年)もある。これはいわき市の瓦礫から塩屋埼灯台を模した模型を作り、500人の参加者で起き上がらせた[60]。
- ^ 和合はそれまでにも「六本木詩人会」など詩に関する活動やイベントでオーガナイザーを務めた経験があった[25]。
- ^ 木村は放射線医学総合研究所に勤めていた時代に東海村JCO臨界事故(1999年)が起きたが、現場に入ることを官庁から止められた経験がある。福島第一原子力発電所事故ののち、辞表を提出して福島へ来ていた[63]。
- ^ せんだいメディアテークは、被災者にとっての震災をテーマとした展覧会「記憶と想起」や、震災と復興をめぐるアーカイブプロジェクト「3がつ11にちをわすれないためにセンター」などを行っている[67]。
- ^ 「ええじゃないか」は、幕末の1867年から1868年頃にかけて武蔵や安芸で流行した運動とされる。一揆や打ちこわしのような目標はなく、年齢や性別を問わず規制秩序を無視して踊り、仮装をしたり、女性が男性、男性が女性の衣服を着ることもはやった。類似の現象として、近畿地方のおかげ踊り、砂持、豊年踊り、東海地方の御鍬祭などがある[74][75]。
- ^ 東日本大震災以降、盆踊りが各地で活発化する動きがあった。東京都でも、墨田区のすみだ錦糸町河内音頭大盆踊りや、岸野雄一が運営に参加してDJが盆踊りを流す中野区の大和町八幡神社大盆踊り会、豊島区のにゅ〜盆踊り、青梅市の成木地区大盆踊りなどがある[77]。
- ^ 参加アーティストは岩根愛、ちばふみ枝、中崎透、中村葵、藤井光。キュレイターは中崎透。会場構成はアサノコウタ。
- ^ 参加アーティストは大友良英スペシャルビッグバンド、和合亮一 with spoken words project、在庭坂デュオ、福島わらじまつり、オーケストラFUKUSHIMA ! 、DEFROCK、GREENBACK、SANZASHI/MANAMI、thing of gypsy lion、平兄弟、村民こだま、ダイスケワナゴー、Merry Shone、Liho、えりんぎ、THE NEATBEATSなど。
- ^ 参加アーティストは赤間政昭、木下真理子、椎木静寧、地引雄一、アサノコウタ、鉾井喬、和合亮一、spoken words projectほか。
- ^ 国外の会場は、ソウルのYOGIGA、台北のcafe philo、上海のBM SPACE、バンコクのCosmic Cafeや居酒屋 田舎っぺ、ブエノスアイレスのCOBRA、ロンドンのCafe OTO、アムステルダムのSTEIMなど。最大のものはジョン・ゾーンがニューヨークのTHE STONEで行った2日間のイベントだった[83]。
- ^ Twitterでは、早川由紀夫による「福島はいま戦場だ。芸術家ふぜいがちゃらちゃら出かけていくようなところじゃない」などのツイートがあった[85]。
- ^ 遠藤、大友、和合が中通りにゆかりが深かったため、そのような批判もあった。
- ^ 鶴田の朗読は、ルートカルチャーが鎌倉で主催したイベント「FOR座REST trip」で行われた[90]。これは中止になった福島のFOR座RESTを鎌倉に招待する形で開催された[91]。
- ^ 参加アーティストは、あまちゃんスペシャルビッグバンド、珍しいキノコ舞踊団、橋本知久、沼田眞由み、菅沼朋香など[94]。
- ^ 当日に演奏した「相馬盆唄」は、山中カメラの編曲によりクラフトワークの『Radio Activity』のメロディを引用した。ゲストは阿部芙蓉美、二階堂和美など[96]。
- ^ 参加アーティストは、珍しいキノコ舞踊団、ブラウンノーズ、大谷能生、DJフクタケ、伊東篤宏、長見順、遠藤知絵、Sachiko M、大友良英、会津マスクワイア、池袋盆BANDなど[97]。
- ^ 参加アーティストは、サンティアゴ・バスケス、高木完×DJみそしるとMCごはん、芳垣安洋とOrquesta Nudge!Nudge!、勝井祐二、高良久美子。
- ^ 藤井は、被災地の風景を定点カメラで撮影した『沿岸部風景記録』シリーズ(2012年-)や、南相馬市の映画館「朝日座」を題材とした『ASAHIZA 人間は、どこへ行く』(2014年)などの作品もある[67]。
出典
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- 1 プロジェクトFUKUSHIMA!とは
- 2 プロジェクトFUKUSHIMA!の概要
- 3 活動
- 4 評価・影響
- 5 出典・脚注
- 6 関連項目
- プロジェクトFUKUSHIMA!のページへのリンク