プロジェクトポートフォリオと他の"非金融"資産への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 09:14 UTC 版)
「現代ポートフォリオ理論」の記事における「プロジェクトポートフォリオと他の"非金融"資産への応用」の解説
専門家のいくらかは、MPTをプロジェクトや他の資産へ適用している。金融ポートフォリオの範囲を越えてMPTを適用するときは、ポートフォリオの違いによって考慮しなければならないところがある。 金融ポートフォリオは絶えず可分(divisible)であるが、一方、新しいソフトウェアの開発といったプロジェクトのポートフォリオでは不可分(lumpy)である。例えば、3種類の株式をそれぞれ44%、35%、21%からなるポートフォリオを計算することは出来る一方、あるITポートフォリオへの最適ポジションは単純に計算できないかもしれない。ITプロジェクトは少なくとも全か無か(all or nothing)である為、分割不可能である。ポートフォリオの最適化の方法は、ITといった分割不可能なプロジェクトを考慮に入れなければならない。 金融ポートフォリオの資産は流動的であるため価格付けは可能であるが、新しいプロジェクトへの投資機会は制限されており、また、サンクコスト(sank cost、埋没費用)を失うことなしに既に着手したプロジェクトを放棄することは出来ない。 MPTや上述のポートフォリオを使う可能性を否定する必要性はない。通常には金融ポートフォリオに適用できない数学的に表現された制約で以ってMPTは最適化を行うことができる。 その上、MPTの最も単純な要素のいくつかは、いかなる種類のポートフォリオに事実上当てはめることが出来る。投資家のリスク許容度を理解するという概念は、様々な種類の分析問題に当てはめることが出来る。しかしながら、MPTはリスクの尺度として、歴史上に発生した分散(historical variance)を利用しているのでITのように歴史がないものには適用できない。このような場合、MPT投資との境界として、「資本を失うよりもROIの機会が少ない」とか、「投資の半分以上の資金を失う」とかを一般的な観点から用いる。不確実性の観点から予測される損失についてリスクを設定する時、投資家のリスク許容度を理解するという概念は他のいかなる投資のタイプと完全に置換されうる。
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