プッシュバント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 08:01 UTC 版)
プッシュバントは、文字通りバットを押し込むようにバントを行い、意図的に強い打球にするバントである。「一塁手が深く守っている」「投手の一塁カバーが遅い」「相手が左投手で、投球後に右に傾くような癖がある」などの場合に行われることがある。プッシュバントは球をプッシュする(押す)バントである。犠打の際には当たったバットはわずかに引くのに対し、この場合はバットを前方に押し出すために両手と両肘を体から離してバットの球を打つ面を一塁手の方に向ける。 バントの意図が明らかである場合、内野手は少しでも打球処理にかかる時間を短縮しようとする場合が多い。たとえば、バントに備えて前進守備を敷いたり、打者が不意にバントの構えをみせた場合に一塁手や三塁手が反射的に本塁に向って駆け込んだりする。この守備側のバント対策を逆手にとり、バントの構えのまま意図的にバットを押し出して強打することで、前進した内野手を越えて手薄になった内外野間に打球を落とすことを狙うのがプッシュバントである。成功すれば走者はもとより打者自身もセーフになる可能性が高くなるが、打球コントロールに失敗して守備選手の正面に転がしてしまった場合は通常の内野ゴロより早く捕球され、併殺となる可能性が高いという大きなリスクも併せ持つ。 また、塁上に走者がいない場合でも、意表を突く形のセーフティバントとしてプッシュバントがなされる場合もある。無走者などの場合は一塁手と三塁手が通常の深さの守備位置からスタートするため、投手がぎりぎり追いつかない程度の速さでゴロを転がせば打者走者がセーフになる可能性が生じる。 なお、バントの構えからヒッティングに切り替える動作はバスターと呼ばれ区別される。
※この「プッシュバント」の解説は、「バント」の解説の一部です。
「プッシュバント」を含む「バント」の記事については、「バント」の概要を参照ください。
- プッシュ‐バントのページへのリンク