ブルターニュのレー(Breton lai )
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 16:54 UTC 版)
「レー (詩形)」の記事における「ブルターニュのレー(Breton lai )」の解説
あるいは「語りのレー (narrative lay) 」とも呼ばれる。中世フランス語や古英語による恋愛文学の形式をさす。レーは恋愛や騎士道を扱った韻文で、短く(600~1000文)、しばしば超自然的な、ケルト風の妖精の世界のモチーフが含まれている。 文章として残された最古の「語りのレー」は、おそらく『マリー・ド・フランスのレー』であろう。おそらくこれは、12世紀後半から13世紀初頭にイングランドに過ごしたフランスの女性詩人マリー・ド・フランスによって、1170年代に構成されたと考えられている。彼女のレーや、13世紀フランスのいくつかの無名のレーにおける記述から、初期のレーがケルト起源であり、文体においてはより叙情的でブルターニュのミンストレルが口ずさんだことがうかがわれる。これらブルターニュの「叙情的なレー」は、一つとして現存していないが、歌曲のレーに道を開いたそれらの要約によって紹介され、なおかつ「語りのレー」の基礎となった。 古フランス語のレー21篇を13世紀に古ノルド語に散文訳した『ストレングレイカル(英語版)』は、マリー・ド・フランスのレーの翻案が主とした集成であるが、そのうち『浜辺のレー』(Strandar Lióð, Strandar Strengleikar)など四篇については、元のフランス語作品は判明していない(あるいは現存していない)。 ブルターニュで書かれた最初のレーは、中世フランスのさまざまな方言に置き換えられ、13世紀から14世紀には中世英語によっても再構成された。
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