フンディング殺しのヘルギの歌 その一
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:03 UTC 版)
「ワルキューレ」の記事における「フンディング殺しのヘルギの歌 その一」の解説
『フンディング殺しのヘルギの歌 その一』は、フンディング殺しの英雄ヘルギが、死体の散らばるロガフィヨルの戦場のただ中に座っている場面から始まる。丘から光が輝き、その光から雷電が走った。空を駆けて兜をつけたヴァルキュリャたちが現れる。腰まである鎖帷子は血にまみれており、その槍はまばゆく輝いていた。 そのとき、ロガフィエルから光がさし、その光の中から閃光がひらめいた。…….mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}大空(ヒミンヴァンガル)を兜も凛々しく……鎧は血しぶきで汚れ、槍先から光がきらめいた。 続くスタンザで、矢が降り注ぐ中、ヘルギはヴァルキュリャたち(彼は「南の女神たち」と呼んだ)に、日が落ちたら兵を引き上げたらどうかと尋ねる。戦が終わると、馬に乗ったシグルーン(「勝利のルーン」の意)というヴァルキュリャが、自分は父ホグニに言われて、フニヴルング族のグランマル王の息子ホズブロッドと婚約させられたが、彼にその価値はないと思っていると述べる。ヘルギはフレカステインに大軍勢を集めてフニヴルング族に戦を仕掛け、婚約を避けたいシグルーンを助けた。詩の後半では、英雄シンフィヨトリがグズムンドと罵り比べをする。シンフィヨトリは、グズムンドがかつて、「万物の父のところでも、災いを生む恐ろしい手に負えぬ魔女」であったことを嘲り、「お前のためにヴァルハラの戦士たちは戦い合わねばならなかったのだ」と付け加える。詩には、「ヴァルキュリャの空気のような海」という表現が霧を表すケニングとして用いられている。詩の終盤、ヴァルキュリャたちは再び天から下り、今度はフレカステインで戦うヘルギを守護する。戦が終わると、ヴァルキュリャたちはみな飛び去っていくが、シグルーンは残り、ともにいた狼たち(「女巨人の馬」)は死体を食べ尽くした。 そのとき、天から兜も白く輝く者たちが下ってきて――槍の響きはいやます――王をば守った。そのとき、シグルーンはいった。――ヴァルキューレたちが飛びかい、フギンの餌を女巨人の馬が平らげた―― 果たして戦争はヘルギの勝利に終わると、シグルーンはヘルギに、彼が偉大な支配者となると告げて宣誓をした。
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