フリント風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/08 08:42 UTC 版)
フリント市のスタイルは細挽きミンチ程度に挽いた牛心臓肉を土台とする汁気のないソースが特徴である。ケーゲル社のソーセージと1949年創業の老舗アンジェロズのソースを使わなければ「本物」のフリント風コニードッグではないと主張する者もいる。もっとも、アンジェロズのソースはもともと1924年にマケドニア系のシメオン・ブライアンが自身の店フリンツ・オリジナル・コニーアイランドのために作り出したものである。食肉加工会社クーゲル・ミート・カンパニーが今も生産しているホットドッグソーセージを最初に作らせたのも、アボッツ・ミート社にソース用心臓肉の細挽きを卸させたのもブライアンだった。アボッツは2020年現在もブライアンが1924年に作ったソースを飲食店や一般向けに販売している。飲食店はアボッツのソースベースに牛脂でソテーした玉ねぎの粗みじん切りを加え、さらに自家製スパイスミックスなどの材料を足してソースを仕上げる。 巷間の言い伝えにより、牛挽肉に加えてソーセージをミンチにしたものを用いるレシピが「オリジナル」のフリント風コニーソースだという伝説が定着している。この種の言説には、語り手がフリンツ・オリジナル元店主の知人や同僚だった親戚からレシピを譲り受けたというものや、元店主の死後に未亡人が『フリント・ジャーナル』紙にレシピの公表を許可したというものがある。長年『フリント・ジャーナル』紙のフードエディターを務めたロン・クルーガーは、同紙のレシピ集を刊行する際に問題のコニーソースのレシピを収録したが、他のレシピのように出所を示さなかった。これについて訊かれたクルーガーは「このレシピは『ジャーナル』に長い間繰り返し掲載されてきた。前後関係がわかるような記事とか出所が特定されているのは見たことないと思う。レシピ名には決まって「オリジナル」という言葉が入っていたけれども、ちょっとでも物を知っている人はそんなものは信じていなかった」と語っている。シメオン・ブライアンの死後に妻ヴェリシアがレシピの公開を許可したという二つ目の説については、実際の没年はヴェリシアの方が先であるため信憑性はない。 『フリント・ジャーナル』紙で紹介されたソーセージミンチ入りレシピの出所は、クルーガーの前任者の一人ジョイ・ギャラガーだと思われる。ギャラガーは1978年5月23日付のコラムにこのレシピを載せ、その提供者が「オリジナルのコニーアイランド店で働いていた料理人の妻であり、夫の私的なノートからレシピを写したと称している」と書いているが、その真偽は保証していない。そして同じコラムでは心臓肉を使う別のレシピが紹介され、「読者がアンジェロで使われているソースだと断言して送ってくれたレシピ」とされている。このコラムに書かれた二つのレシピの出所が混同された結果、ソーセージミンチを使うレシピがアンジェロズ発祥だと報じられたという主張がなされるようになった。ロン・クルーガーは1995年4月18日付のコラムで、ソーセージを使うギャラガーのレシピをアンジェロズの共同所有者トム・V・ブラノフに直接見せたところ全面的に否定されたと伝えている。
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