フィアナ騎士を殺す
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 21:34 UTC 版)
古謡でも散文でも、三人組は犬を使ってワイン・酒類を密造していたが、絶対に覗き見てはならないという約定を犯したフィアナ騎士を許さず始末した。殺されたのは古謡ではドゥヴァン・マク・ブレサルであり、散文ではドンとドゥヴァンというアルスターの2人の王子である。 犬が没収・殺される結末 古謡では騎士団長のフィン・マックールが「英知の歯」(古アイルランド語: dét fiss)を使ってドゥヴァンを殺した下手人が三人組だとつきとめ、犬は賠償としてフィンに差し出される。また三人組は、犬が生きているあいだはアイルランド外に持ち去ってはならないという制約を立てた。しかし三人組は、犬を殺してその皮をはぎ、異国に持ち去った うやむやな結末 散文物語『古老たちの語らい』では、フィアナ騎士団が9人の騎士と9人従僕(ギリー)編成の捜索隊を繰り出して探索にあたったが、盗み見して始末されたウラドの王子たちの行方は杳として知れなかった 。三人組に責任を問わせようとする団員もいたが、フィンの庇護下に入り、不問に処されている。 犬の攻撃手段 フェル・ヴァックの攻撃の詳細は、『古老たちの語らい』に描写されている。二人の偵察者に対し、犬は尾を上げて魔法(ドルイド術)の風を呼びおこし、相手は盾も槍も剣も落としてしまう。そして三人組がその者たちを始末すると、犬は息を吹きかけ、遺体は塵と灰と化して、血も肉も骨も跡形もなくなった。のちに、三人組と犬は傭兵仕事を引き受け、脅威となったウアルの三人の息子たちの退治にくわわった。イルアドのドゥヴが追放の呪文を唱えると、犬は尻尾の風で敵を海へと追い払い、魔法にかかった敵は同士討ちをはじめて互いの頭に致命傷の刀傷を負わせた。
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