ファルコン9のエンジン異常
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/12 09:41 UTC 版)
「スペースX CRS-1」の記事における「ファルコン9のエンジン異常」の解説
打ち上げ時、ファルコン9の第1段の9基のエンジンのうち1基にエンジン異常が発生した。スペースXは数年前からファルコン9の第1段は「エンジン燃焼停止能力」を持って設計されており、この能力で誤作動したエンジン数基を停止可能で、その状態でも打ち上げを成功させることができると強く主張している。打ち上げ中、CRS-1の第1段は1番エンジンを停止し、結果として、輸送機を予定通りの軌道に投入するため残りの8基のエンジンを想定よりもやや推力を減少させて長く燃焼させることで打ち上げは継続された。スペースXは「予定外の急速な分解」に言及しており、これは意図せずも、最初の飛行中のファルコン9の「燃焼停止」設計の実証となり、「燃焼停止能力の明快な実証を提供した」としている。 この異常に対してNASAとスペースXは共同でCRS-1飛行後調査委員会を立ち上げた。飛行後調査委員会からの予備情報は1番エンジンのノズルの上の燃料ドームが爆発しなかったものの破裂したことを示している。飛行ビデオ記録に見られるように、エンジン停止前に終了した燃料燃焼はフェアリング破損の原因となった。その後の調査でおそらくエンジン製造時に起こったエンジン機関被覆の検出されない素材の欠陥の結果と問題を特定したと議会公聴会で示された。飛行中、データは素材の欠陥が最終的に主燃焼室の裂け目につながったことを示唆していた。この裂け目は主燃料経路の方向に高温のガスと燃料の噴射を開放し、これが2次漏れの原因となり、エンジン圧力が急激に低下した。結果として飛行コンピューターは第1エンジンを停止させ、ファルコン9はISSとのランデブーのためのドラゴン投入にむけて行程を継続した。
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