ビサコジルとは? わかりやすく解説

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ビサコジル

分子式C22H19NO4
その他の名称ビコル、テララクス、ビサコジル、ズルコラクス、SK-ビサコジル、Bicol、Dulcolax、Theralax、Bisacodyl、SK-Bisacodyl、2-[Bis(4-acetoxyphenyl)methyl]pyridine、Diacetic acid 4,4'-(2-pyridinylmethylene)bisphenyl、ズルコラン、ピリラックス、ズルコラックス、ラキサンス、Laxans、Pyrilax、LA-96a、Dulcolan、Bis(4-acetoxyphenyl)(2-pyridyl)methane、Diacetic acid [2-pyridylmethylenebis(4,1-phenylene)] ester、Diacetic acid (2-pyridylmethylene)bis(4,1-phenylene) ester、Diacetic acid 4,4'-(2-pyridinylmethylene)bisphenyl esterテレミン、Telemin、2-(4,4'-ジアセトキシジフェニルメチル)ピリジン、2-(4,4'-Diacetoxydiphenylmethyl)pyridine、テレミンソフト、Teleminsoft、サトラックス、Satolax、デルデランス、Derderance
体系名:酢酸2-ピリジニルメチレンビス(4,1-フェニレン)、二酢酸[2-ピリジルメチレンビス(4,1-フェニレン)]、二酢酸(2-ピリジルメチレン)ビス(4,1-フェニレン)、二酢酸4,4'-(2-ピリジニルメチレン)ビスフェニル、ビス(4-アセトキシフェニル)(2-ピリジル)メタン、2-[ビス(4-アセトキシフェニル)メチル]ピリジン


ビサコジル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/04 10:06 UTC 版)

ビサコジル
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 フリート、ダルコラックス、ブルックラックスなど
Drugs.com monograph
MedlinePlus a601027
胎児危険度分類
  • B
法的規制
  • OTC
投与経路 経口または注腸投与
薬物動態データ
生物学的利用能 15%
代謝 肝臓 (CYP450-媒介)
半減期 16時間
排泄 主に糞便中に排泄され、全身に吸収された薬物は尿中に排泄される。
識別
CAS番号
603-50-9 
ATCコード A06AB02 (WHO) A06AG02 (WHO)
PubChem CID: 2391
DrugBank DB09020 
ChemSpider 2299 
UNII 10X0709Y6I 
KEGG D00245  
ChEMBL CHEMBL942 
化学的データ
化学式 C22H19NO4
分子量 361.40 g·mol−1
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ビサコジル: Bisacodyl)は、瀉下薬として用いられる有機化合物である。結腸を刺激し、排便を促す作用がある。

慢性的な便秘の緩和、神経因性消化管障害の管理、および健康診断の際の大腸内視鏡検査の前処理として処方される[1][2]1953年に初めて下剤として使用された[3][4]WHO必須医薬品モデル・リストに収録されている[5]

作用機序

腸管神経系英語版を刺激して結腸の収縮を引き起こし、蠕動運動を促す。接触性下剤でもあり、水分と塩分の分泌を促進する。小腸に対する作用はごくわずかで、刺激性下剤としては主に結腸からの排泄に作用する[6]。結腸における水分の吸収を抑制し、腸内水分を増加させる作用もある[7]

製品

ビサコジルの錠剤

日本では医療用医薬品日本薬局方ビサコジル坐剤のほか、一般用医薬品便秘薬「ビューラック」(皇漢堂製薬)、「スルーラック」(エスエス製薬)、「コーラック」(大正製薬)にも配合されている[8]

投薬管理

ビサコジルを経口投与する場合、通常は朝食時に服用する。経口投与では8時間ほどは効果が現れず、その後突然、比較的速やかに効果が現れることが知られている。これは、1回に10mg以上服用した場合に特にこの傾向が強い。通常、投与量は5ないし10mgであるが、処置前に腸を完全に洗浄する際には最大30mgを使用する。

坐剤として直腸に投与すると、通常15分ないし60分ほどで効果が現れる。坐剤として使用する場合は、胃結腸反射英語版と同期させるため、朝食後にビサコジルを投与すると効果的である[2]。より強力な作用が必要な場合は、一度に2つの坐剤を使用することができる。最初の排泄から数時間後、ビサコジルが排出されず直腸内に残っている限り、二次的な作用が続く。

市販の浣腸剤は通常5~20分で効果が生じる[6]

化学的性質

トリフェニルメタン誘導体であり、フェノールフタレインと構造が類似している。化学式C22H19NO4、白色の結晶性粉末。酢酸に容易に溶け、アセトンにもやや溶けやすいがエタノールジエチルエーテルには溶けにくい。水にはほとんど溶けない。融点は132~136[7]

関連項目

  • ジフェニル-2-ピリジルメタン英語版
  • シクロフェニル英語版

脚注

  1. ^ “A consensus document on bowel preparation before colonoscopy: prepared by a task force from the American Society of Colon and Rectal Surgeons (ASCRS), the American Society for Gastrointestinal Endoscopy (ASGE), and the Society of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons (SAGES)”. Gastrointestinal Endoscopy 63 (7): 894–909. (June 2006). doi:10.1016/j.gie.2006.03.918. PMID 16733101. 
  2. ^ a b “Constipation: Advances in Diagnosis and Treatment”. JAMA 315 (2): 185–91. (January 2016). doi:10.1001/jama.2015.16994. PMID 26757467. 
  3. ^ “Polyethylene glycol versus vegetable oil based bisacodyl suppositories to initiate side-lying bowel care: a clinical trial in persons with spinal cord injury”. Spinal Cord 36 (11): 777–81. (November 1998). doi:10.1038/sj.sc.3100702. PMID 9848486. 
  4. ^ “Methods and techniques: The use of Bisacodyl suppositories in preparation for sigmoidoscopy”. Gut. British Medical Journal 5: 271–3. (1964). doi:10.1136/gut.5.3.271. PMC 1552120. PMID 14178715. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1552120/. 
  5. ^ World Health Organization model list of essential medicines: 22nd list (2021). Geneva: World Health Organization. (2021). hdl:10665/345533. WHO/MHP/HPS/EML/2021.02 
  6. ^ a b Engelhorn R, Seeger E, Zwaving JH (2000). "Laxatives". Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. Weinheim: Wiley-VCH. doi:10.1002/14356007.a15_183. ISBN 3527306730
  7. ^ a b ビサコジル坐剤10mg坐剤「JG」添付文書 (PDF) (製造販売元:長生堂製薬、販売元:日本ジェネリック
  8. ^ コンデックス情報研究所 編『はじめてでもよくわかる! 登録販売者実務サポートブック』成美堂出版、2021年、107頁。 ISBN 978-4-415-23165-5 

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