ヒッチハイク外交
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 19:27 UTC 版)
「日本国政府専用機」の記事における「ヒッチハイク外交」の解説
カナダの保養地であるカルガリー郊外のカナナスキスで行われた第28回主要国首脳会議を終えた2002年(平成14年)6月28日に、ドイツのゲアハルト・シュレーダー首相と秘書官・警護員ら5人が小泉純一郎首相帰途の日本国政府専用機に同乗して来日した。 6月30日に、横浜国際総合競技場で行われる2002 FIFAワールドカップの決勝ブラジル対ドイツ戦を控えて「この観戦に間に合うよう、ぜひ相乗りで行かせて欲しい」とドイツ連邦共和国政府から要請されて、日本が受諾した。シュレーダー首相夫人が急用のため政府専用機で先に帰国したためにシュレーダー首相は政府専用機が使えず、民間機のチャーターでは、決勝戦のキック・オフに間に合わないことから異例の要請となった。小泉首相は当初断るつもりだったが、事情を察知したフランスのジャック・シラク大統領から口添えされ、搭乗者はシュレーダー首相以下5人と説明されて、最終的に小泉首相が判断した。 約10時間の飛行中は、くつろいだ雰囲気で日独首脳会談(「ヒッチハイク外交」外務省)が行われ、両首脳は食事を共にしながら歓談した。小泉首相は執務室をシュレーダーに譲り、自らは安倍晋三が使う予定であった官房副長官用の個室で休息した。 首脳が他国の政府専用機に同乗して移動する事例は、外交プロトコルや危機管理で異例 で、日本政府専用機では本件が唯一の事例である。ドイツ政府は元東ドイツのインターフルーク所有機であったエアバスA310-300(コンラート・アデナウアー)を政府要人専用機として保有しており、シュレーダーは同機でカルガリー入りしている。A310-300は、カナダ太平洋岸やアンカレッジで1回給油すれば、羽田まで飛行可能な航続距離を有する。
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