ノヤギ、ネコ、クマネズミの影響と対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 09:19 UTC 版)
「小笠原諸島の自然」の記事における「ノヤギ、ネコ、クマネズミの影響と対策」の解説
小笠原群島には19世紀の開拓開始直後からヤギが放し飼いにされていたが、戦後アメリカの統治下でヤギが管理されない状態となったため、ノヤギとなって植物を食い荒らしていった。特に聟島列島の被害は著しく、聟島や媒島は森林がほとんど破壊されるに至った。ノヤギは1970年代初めに父島列島の南島で駆除が開始され、1990年代半ばからは聟島列島、そして弟島、兄島で駆除が行われ根絶に成功した。現在父島でも駆除が進められているが、広くて地形が複雑な父島では駆除が思うように進まないため、固有植物が多い地域をフェンスで守る対策が取られている。このフェンスは生息数の減少が著しいとされるアカガシラカラスバトを捕食するノネコの侵入を防ぐ役割も果たしている。 クマネズミは鳥類の卵を食べたり、タコノキなど小笠原固有種の種子を食べつくしたり、兄島などでは陸産貝類を食べてその生息を脅かすなど、小笠原諸島の生態系に悪影響を及ぼしている。反面、小笠原群島固有の猛禽類であるオガサワラノスリはクマネズミを捕食していると考えられ、クマネズミの消滅は絶滅危惧種であるオガサワラノスリの生存に悪影響を及ぼす可能性があるため、駆除による生態系への影響予測を立てながらクマネズミの駆除が進められている。
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