ネオコンの軍事・外交政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 09:12 UTC 版)
「新保守主義 (アメリカ合衆国)」の記事における「ネオコンの軍事・外交政策」の解説
ネオコンは、自由主義・民主主義・グローバリゼーション(アメリカニゼーション)を理想に掲げ、自由民主主義は人類普遍の価値観であると考え、その啓蒙と拡大に努めている。その例として、旧ソ連圏の色の革命や中東のアラブの春と呼ばれるドミノ現象への関与があげられる。また、西半球での勢力回復を目指してアメリカの裏庭(英語版)と呼ばれる中南米での反米左派政権がドミノ現象で倒れた保守の波(英語版)を支持しており、中南米の親米右派勢力とのつながりも指摘されている。ブッシュ政権末期からは対ロシア強硬姿勢が目立ち、特にウラジミール・プーチンと強く対立して南オセチア紛争ではプーチンから紛争の発端は2008年アメリカ合衆国大統領選挙で共和党を有利にするための陰謀であると批判されて新冷戦とも評された。これはプーチンとともにブッシュが北京オリンピックの式典に参加するため国内を空席にした際に紛争が起きたため、政権内部のネオコンをコントロールできていたかその能力を疑われたからでもある。NATOの東方拡大に加えて共に旧ソ連各国の色の革命を支援してきており、ネオコンにはトロツキズムに起源があることからソ連崩壊後もスターリンを称揚するロシアに反発を抱く東欧系ユダヤ人をルーツに持つものが多いことも影響している。 また、ネオコンは軍事戦略において、元トロツキストでランド研究所の重鎮アルバート・ウォルステッターの予防戦争や限定戦争などの議論に強い影響を受けている。 「緊急事(同時多発テロなど)にはアメリカの国防に何ら寄与しない」として、ネオコンのジョン・ボルトンなどは唯一の超大国アメリカはそれ自体が「世界の警察」(Globocop)であるとし、湾岸戦争のような国際連合の集団安全保障措置に批判的である。国連安保理決議による事前承認のない先制的自衛権行使での単独の制裁戦争と予防戦争を主張しているが(ブッシュ・ドクトリン)、単独行動主義(英語版)的であると批判されることも多い。「有志連合」は、武力行使容認決議ではなくて国際連合安全保障理事会決議1368を根拠として集団的自衛権に基づいた多国籍軍として注目されたが、アメリカ合衆国はこの有志連合を恒久的に維持する姿勢を現時点では見せていない。
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