トヤマエビとは? わかりやすく解説

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とやま‐えび【富山海老】

読み方:とやまえび

タラバエビ科甲殻類体長17センチくらい。日本海からベーリング海分布し、特に富山湾多産食用


富山蝦

読み方:トヤマエビ(toyamaebi)

タラバエビ科エビ

学名 Pandalus hypsinotus


トヤマエビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/12 01:14 UTC 版)

トヤマエビ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 軟甲綱 Malacostraca
: 十脚目 Decapoda
: タラバエビ科 Pandalidae
: タラバエビ属 Pandalus
: トヤマエビ P. hypsinotus
学名
Pandalus hypsinotus
Brandt1851[1]
英名
Coonstripe Shrimp

トヤマエビ Pandalus hypsinotusタラバエビ科に分類されるエビの一種である。

日本海の全域からベーリング海にかけて生息する、寒海深海性のもので、水深100mー200m程度のところに棲む。水深350mまでとしている書物もある。 富山湾で最初に漁獲されたことから「トヤマエビ」と名付けられ[2]、漁獲高も多い。

標準和名としては「トヤマエビ」で、標準和名「ボタンエビ」のPandalus nipponensis とは別だが、一般にはボタンエビとも呼ばれることがある。ほか、「タラバエビ」、「キジエビ」と呼ぶ所もある。

特徴

体長は17cmほどで、大きい物では25cm以上になるものもある。額角は前部が上にそり、頭胸甲長の1.5倍ある。武田正倫の記述によれば、生きている時は淡紅色で、頭胸甲側面には不規則な斑紋、腹側に赤褐色の横じまがある。ボタンエビにはこの横じまがなく、また頭胸甲の背の部分の曲線は、トヤマエビが急であるのに比べ、ボタンエビは緩やかである[3]

2年目は体長10cm程度でオスとして成熟するが、他のタラバエビ科のエビと同様に性転換する。

4歳頃までは雄で、4歳半で性転換をして雌に変わり、5歳で1回目の産卵をする。1年間抱卵を続けた後、卵を孵化させて幼生を放つ。その後1年は抱卵せず、満7歳で2回目の産卵をし、1年間の抱卵後、孵化させ、8歳で寿命が尽きる。[4]

捕獲

10月から翌年5月まで、底引き網、えびかご網により捕獲される。

旬は冬季[4]

「独島エビ」問題

2017年11月7日にトランプ米大統領を招いて韓国大統領府が開いた晩餐会で、韓国大統領府はメニューの一つに「独島(日本名 竹島)周辺で漁獲されたとする“独島エビ”」なるものを出したが、富山関係者の間から「“独島エビ”は、明確にトヤマエビであり、竹島周辺では漁獲されず非正規ルートで韓国が入手したもの」だとする抗議の声が上がっている[5]。その後、韓国政府は日本の見解を把握した米国に配慮し、独島の文字は削除に追い込まれた[6]

韓国国内では、「独島海域で採れた海老は“独島エビ”」としている[7]

地方名

[4]

  • オオエビ(北海道後志・檜山、石川県金石、福井県越前)
  • ガスエビ(富山県新湊)
  • キズエビ(富山県滑川)
  • コエビ(青森県深浦、大型抱卵個体)
  • サルエビ(石川県宇出津)
  • シマエビ(山形県)
  • シロエビ(北海道・兵庫県香住[8]
  • タラバエビ(山形県・石川県西岸)
  • モサエビ(鳥取)
  • トラエビ(北海道)
  • ボタン・ボタンエビ(北海道後志・檜山・小樽、青森県鯵ヶ沢・小泊、秋田県、山形県、石川県金沢、福井県、京都府)
  • マタエビ(石川県西海)

脚注

  1. ^ Pandalus hypsinotus Brandt, 1851 トヤマエビ”. 2015年2月2日閲覧。
  2. ^ 『独島エビ』に富山県関係者が怒り「間違いなくトヤマエビだ」 韓国近海では獲れず非正規ルートで漁獲か”. zakzak by 夕刊フジ. 2017年12月22日閲覧。
  3. ^ 武田正倫著 『原色甲殻類検索図鑑』 北隆館、1982年。
  4. ^ a b c 本尾洋 『日本海の幸 -エビとカニ-』 あしがら印刷出版部、1999年、27頁。
  5. ^ 『独島エビ』に富山県関係者が怒り「間違いなくトヤマエビだ」 韓国近海では獲れず非正規ルートで漁獲か”. zakzak by 夕刊フジ. 2017年12月22日閲覧。
  6. ^ 「独島エビ」日本抗議で米指摘、韓国「独島」削除 トランプ氏、元慰安婦と知らず抱擁”. 産経ニュース. 2017年11月17日閲覧。
  7. ^ [단독]논란의 '독도새우' 어부 "낯선男, 국도서 만나자고···"[출처: 중앙일보][단독]논란의 '독도새우' 어부 "낯선男, 국도서 만나자고···"”. 중앙일보. 2017年11月8日閲覧。
  8. ^ 香住町水産加工協同組合、柴山港水産加工協同組合 『香住のさかな』2002年

参考文献

  • 阿部・末広 『ビジュアル版日本さかなづくし』(講談社・1985年)
  • 『日本大百科全書』(小学館・1985年)

外部リンク


トヤマエビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 01:27 UTC 版)

ボタンエビ」の記事における「トヤマエビ」の解説

標準和名がトヤマエビ (富山海老)(Pandalus hypsinotus Brandt, 1851)(英、Coonstripe Shrimp)という近縁エビ牡丹海老として売られている。むしろ牡丹海老といえばトヤマエビのほうが圧倒的に多く流通している。 トヤマエビは富山湾日本海北海道ロシアオホーツク海などで漁獲される。多く地方名がある(トヤマエビ#地方名)。北海道噴火湾での地方名が「ボタンエビ」である。韓国では島根県竹島韓国呼称独島ドクト))で漁獲されエビ地方名独島エビ」と称するが、トヤマエビあるいは他の2種海老と言われている。ニュース映像紹介されたのはトヤマエビであった。 トヤマエビは、尾や脚に褐色縞模様があり、頭胸甲正中隆起ボタンエビよりも高く発達しはっきりした白い斑紋散在するのが目立つ。オレンジ色っぽいボタンエビ比べてトヤマエビは赤味濃く鮮度落ちてボタンエビより赤味が残る。 トヤマエビは一般的にはボタンエビより価格は安い。それでも20cm前後体長が立派で身に弾力があり、ボタンエビ同様の美味しさで人気がある。

※この「トヤマエビ」の解説は、「ボタンエビ」の解説の一部です。
「トヤマエビ」を含む「ボタンエビ」の記事については、「ボタンエビ」の概要を参照ください。

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