タラバエビ属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:50 UTC 版)
ホッコクアカエビ Pandalus eous Makarov, 1935 体長12cmほど。和名のとおり体はピンク色-赤橙色で、細長い体型をしている。若狭湾以北の日本海北部沿岸から北米西岸の北太平洋北部に広く分布するが、北大西洋に分布するものは別種 P. borealis Krøyer, 1838 とされる。水深200-800mほどの深海砂泥底に多く生息する。重要な食用種で、「アマエビ」「ナンバンエビ」などの別名でもよく知られている。 トヤマエビ Pandalus hypsinotus Brandt, 1851 体長20cmほどの大型種。額角は長く上方に反る。体はピンク色で、各所に赤い横しまがある。頭胸甲正中線(背中の中心)が盛り上がり体高が高い。富山湾以北の日本海と北海道沿岸、オホーツク海、ベーリング海、アラスカからカナダに分布し、水深100-200mほどの砂泥底に生息する。市場では「ボタンエビ」と呼ばれることが多いが、標準和名“ボタンエビ”は別種Pandalus nipponensis である。食用に漁獲される。 スナエビ Pandalus prensor Stimpson, 1860 体長6cm前後で、体色は赤褐色。主にアマモ藻場から水深150 mの沿岸域に生息する。日本海から三陸沿岸の陸棚域には近縁種のコタラバエビ (Pandalus gracilis Stimpson, 1860) が生息する. ホッカイエビ Pandalus latirostris Rathbun, 1902 体長13cmほどで、額角はまっすぐ前方に伸びる。生体は全身が黄緑色と黄褐色の縦じま模様で、「シマエビ」「ホッカイシマエビ」とも呼ばれる。宮城県以北から樺太、千島列島にかけて分布し、浅い海のアマモ藻場に生息する。鮮やかなしま模様はアマモにまぎれるための保護色である。重要な食用種。 ボタンエビ Pandalus nipponensis Yokoya, 1933 体長15cmほど。トヤマエビに似るが、頭胸甲の正中隆起の発達は弱い。体色は橙色がかっており、腹部の横に赤い斑点が2列に並ぶ。四国から宮城県南部までの太平洋岸だけに分布する日本固有種である。水深300-500mの砂泥底に生息し、深海性のイソギンチャクの周囲に群れていることがある。食用に漁獲されるが、漁獲量は少ない。主な産地は、小名浜沖、銚子沖、駿河湾、尾鷲沖、土佐湾など.
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