デルタシグマ型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/20 09:02 UTC 版)
「デジタル-アナログ変換回路」の記事における「デルタシグマ型」の解説
デジタル入力を時間方向に補完してサンプリング周波数を数十倍にする(オーバーサンプリング)。この出力をデルタ・シグマ・モジュレータを通すことで低ビットのオーバーサンプリングデータにする。デルタ・シグマ・モジュレータの目的はAD変換の場合と同じだが、高ビットのデジタル入力を、デジタル処理によって低ビットの「ディザ化」されたデジタル出力にする。1bit出力であればパルス幅変調と似た出力になるが、デルタ・シグマ・モジュレータにより、より良いパルス波形になる。 この低ビット出力をDA変換し(1bitの場合は出力電力が足りればそのままでもよい)、パルス幅変調型と同様にローパスフィルタに通すことで折り返し雑音(エイリアス)成分や量子化誤差成分を除去して、アナログ出力とする。
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デルタ・シグマ型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/26 15:59 UTC 版)
「アナログ-デジタル変換回路」の記事における「デルタ・シグマ型」の解説
詳細は「ΔΣ変調」を参照 もっとも簡単な、量子化を1bit(比較器)で行う1次デルタ・シグマ・モジュレータの場合で説明する。 入力は1bitでAD変換され、この結果は+1と-1の列からなる。しかし積分器により量子化誤差が蓄積されていくので、入力を単純に1bit AD変換した値とは異なる値の列が出る。入力の変化が遅い場合、例えば入力が0Vであれば+1と-1が交互にほぼ等しい回数出力され、高い電圧ならば+1が多くなる等、+1と-1の個数の比が入力電圧に比例するように出力される。つまり一種のディザ化を行っている。この+1と-1の個数をmステップ分だけ数えれば、それに応じたbit数のAD変換となる。 1 bit AD変換なので各瞬間での量子化誤差は非常に大きいが、変換時間と比較して十分長い時間での平均出力で見れば、誤差を帰還させているので誤差をなくすよう動作する。これにより、高いサンプリング周波数の低ビットAD変換を用いて、低いサンプリング周波数の高ビットAD変換を実現している。あるいは「mステップ分だけ数えた後の結果」という最終的なAD変換のサンプリング周波数から見ると、1bitのAD変換器はそのm倍のサンプリング周波数で変換を行っている、すなわちオーバーサンプリングを行っている。 ここで見方を変えると、この回路は量子誤差を帰還させる一種のフィルタになっている。実際この回路は、入力信号に対しては1次ローパスフィルタ、量子化誤差に対しては1次ハイパスフィルタになっている。入力信号では、最終的なナイキスト周波数以下の部分が必要であり、高い周波数成分は除去したい。一方量子化誤差に起因するノイズは出来るだけ除去したいが、これはフィルタにより高い周波数帯に残っている(上記の0Vの例では+1と-1の交互列、すなわちオーバーサンプリングのナイキスト周波数で出力されている)。そこで、1bitオーバーサンプリングで量子化された出力に対しデジタルフィルタを適用し、量子化ノイズを可能な限り除去して、目的のbit数とサンプリング周波数の出力に仕立てる。上記の「mステップ分だけ数える(連続したmステップのデータを単純平均する)」というのも、一種のデジタルフィルタになっている。 実際にはもっと複雑な帰還をかけて高次のデルタ・シグマ・モジュレータを構成し、フィルタとしての特性を急峻にする。しかし他の方式のAD変換及びアンチエイリアスフィルタと比べるとアナログ回路部分は簡単であり、その分デジタル回路で処理する部分が増える。
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