ディーゼルエンジンの場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 03:49 UTC 版)
「燃料フィルター」の記事における「ディーゼルエンジンの場合」の解説
幾つかのディーゼルエンジンで用いられる燃料フィルターは、底部がボウルのような形状となっており、水が石油よりも密度が大きい(比重が重い)性質を利用して水分の分離を行うようになっている。ある程度まで水分が溜まった場合、堆積した水分はボウル下部のバルブを開くことで排出でき、ボウル内部から出る液体が軽油だけになるまでこの作業を行う。このような機構の燃料フィルターの多くが、水分がボウル内の警戒基準に達した場合にエンジンコントロールユニットを介するか、ダッシュボード上の警告灯を直接点灯する事によってドライバーに水抜き作業を指示するためのウォーターセンサー(en:Water sensor)が備え付けられている。 水分がディーゼルエンジンの燃料装置に混入することは決して望ましい事態ではない。ディーゼルエンジンの燃料噴射装置は可動部の潤滑を軽油に含まれる硫黄成分に頼っている面があり、水分が一定の潤滑性を必要とする可動部分(例えば噴射ポンプや噴射ノズルなど)に入り込むことで、水分に接している箇所が部分的なオーバーヒートを起こして不要な摩耗を招くことになる。産業用定置ディーゼルエンジンの燃料フィルターにもセンサーが含まれている場合があり、燃料フィルターの交換や排出が必要な場合にはオペレーターに警告をするようになっている。 ディーゼルエンジンと燃料フィルターの位置関係によっては燃料フィルターに燃料ヒーターが備えられている場合もある。これは低温時に燃料フィルター内で水分と軽油成分によってパラフィン蝋成分が形成され、フィルターを詰まらせることを防ぐ目的がある。
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